貪欲さから生まれる知性 『哀れなるものたち』(ネタバレ感想)

貪欲さから生まれる知性 『哀れなるものたち』(ネタバレ感想)

2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞受賞、
第96回アカデミー賞では最多11部門にノミネートの『哀れなるものたち』を観ました。
ヨルゴス・ランティモス監督作の中では一番分かりやすくて面白かったですね。

 

Poor Things 2023年英 141分 R18+

 

Advertisement

 

ストーリー

科学者ゴッドウィン・バクスター博士は川に身を投げた臨月の女性の死体に彼女の胎児の脳を移植し蘇生させ、ベラと名付けて育てる。大人の身体に子供の脳と心を持ったベラは急速に成長。ベラを愛する様になったバクスターの助手のマックスと結婚の約束をするものの、性に目覚めたベラは弁護士ダンカン・ウェダバーンに誘惑されポルトガル、リスボンへの旅に出る。最初は遊びのつもりだったダンカンは次第にベラを独占したくなり、ベラに拒絶され…。

キャスト

ベラに『クルエラ』のエマ・ストーン、ゴッドウィンに『ナイトメア・アリー』のウィレム・デフォー、弁護士ダンカンに『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』のマーク・ラファロ、マックスにラミー・ユセフ、ハリーに『トランスフォーマー/最後の騎士王』のジェロッド・カーマイケル、マーサに『すべてうまくいきますように』のハンナ・シグラ、売春宿のスワイニーにキャスリン・ハンター、フェリシティに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のマーガレット・クアリー、アルフィー・ブレシントンにクリストファー・アボットなど。
脚本はトニー・マクナマラ、監督は『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス

ネタバレ感想

スコットランドの作家アラスター・グレイの同名小説の映画化。
映像もキャラクターもすべてがシュールでユニーク。
19世紀のヴィクトリア朝がベースだけれど、SFなだけあって、ベラの服装も街並みも普通じゃない。
ロンドンから旅するリスボンにアレキサンドリア、空中にゴンドラが浮かび、虹のような空の色、
客船もレトロでカラフルでファンタジーの世界。
父親の実験体だったと言うゴッドウィンの風貌は痛ましいけれど、
彼が練習台にしたと思われる動物たちは、「ONE PIECE」のパンクハザード編を思い出すポップさ。
モノクロとカラーのシーンがあるのだけれど、色が有るか無いか忘れるくらい映画に入り込んでしまいました。

そんなファンタジーな映像の中で、手術や解剖シーンに、セックスシーンが多くてR18+。
と言うと過激な話に聞こえるけれど、人の成長の自然な流れとして説得力もありました。

一見フランケンシュタインの様だけれど、
「フランケンシュタイン」の怪物が父親(フランケンシュタイン博士)の愛を求めたのに対して、
ベラは向上心が強く、ひとりの成熟した人として自立を求める。
ベラに翻弄される周囲の男たち、一方女性はベラの生き方を支持します。

最後、てっきりゴッドウィンの脳を移植するのかと思えば…。( ̄▼ ̄|||)
哀れなるもの、だから仕方ないか。( ̄m ̄〃)ぷぷっ!

 

Advertisement

映画の旅カテゴリの最新記事