録画していた『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』を見ました。タイトルを見ても❓な感じですが、1974年に”バトル・オブ・ザ・セクシーズ(性別間の戦い)”と呼ばれた、55歳のシニアテニスプレーヤーと29歳の女性テニスプレーヤーが実際に行ったテニスの試合の裏側を描いたお話。
BATTLE OF THE SEXES 2017年英/米 122分
ストーリー
グランドスラムも達成した女子テニスチャンピオンのビリー・ジーン・キングは女子の賞金が男子の1/8しかない事に憤り、全米テニス協会の試合をボイコットし、9名の選手で女子テニス協会(WTA)を立ち上げ$1で契約。
WTAの顔としての立場とトップ選手として負けられない試合のプレッシャーの中、美容師のマリリンと出会い、夫がいる身ながら恋に落ちる。
掛け試合では負け知らずの55歳の元チャンピオン、ボビー・リッグスは、賭け事を辞められないことから妻より離婚を告げられる。追い詰められたボビーは、ビリー・ジーンとの男女対抗試合を計画する。
キャスト
ビリー・ジーン・キングに先週婚約して幸せ一杯のエマ・ストーン。
ボビー・リッグスにスティーヴ・カレル、エンディングで本人たちの写真が出てきますが、2人ともそっくり。この映画の演技で、2017年のゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル部門の男優・女優賞にそれぞれノミネート。
マリリンに役ごとにまったく別人になるカメレオン女優アンドレア・ライズブロー、ボビーの妻プリシラにエリザベス・シュー、男尊女卑の全米テニス協会のジャック・クレイマーにビル・プルマン、他アラン・カニングなど。
監督はヴァレリー・ファリス&ジョナサン・デイトン。
ネタバレ感想
映画業界で男優と女優の賃金格差が問題になり、Time’s UP、Me Too、KuToo運動など、現代も根強い男性至上主義に対抗することが、70年代のテニススポーツ界でも起こっていたことを初めて知りました。
チケットの売り上げは同じなのに男性は女性の8倍のギャラはおかしいと言うビリー・ジーン達に対して、男性は家族を養うからとか、男性の試合の方がスピードが速くて面白いだとか、うちの家族は私が養っていると返すビリー・ジーン。
彼女達は男性に勝ちたいのではなく、同等に扱って欲しいだけ。
残念なことに、この願いは未だ適っていませんが。
この権利の闘いの中に、ビリー・ジーンの同性愛の目覚めとか、ボビーのギャンブル依存症とかを盛り込んでいるので、ボビーが試合を思いついた動機がちょっと曖昧。
まったく違うタイプの2人が、試合に行き着くまでの過程も興味深いし、エマ・ストーンとスティーヴ・カレルの繊細な演技も見どころでした。