運命か縁か 『パスト ライブス/再会』(ネタバレ感想)

運命か縁か 『パスト ライブス/再会』(ネタバレ感想)

第96回アカデミー賞で作品賞と・脚本賞にノミネートされた『パスト ライブス/再会』を観ました。
静かで穏やかでちょっとだけ切ないお話でした。

 

Past Lives 2023年米/韓国 103分

 

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ストーリー

韓国・ソウルに暮らす12歳の少女ナヨンと少年ヘソンは、互いに恋心を抱いていたが、ナヨンの両親が海外移住を決め離れ離れになってしまう。12年後24歳になり、ナヨンはノラと名前を変えニューヨークに暮らしていた。それぞれの人生を歩んでいた2人はオンラインで再会を果たすが、互いを思い合っていながらも再びすれ違ってしまう。そして12年後の36歳、作家のアーサーと結婚しているノラに会うためにヘソンはニューヨークを訪れ、2人はやっとめぐり合う。

キャスト

ナヨン/ノラにグレタ・リー、ヘソンにユ・テオ、アーサーに『ファースト・カウ』のジョン・マガロなど。
監督・脚本はセリーヌ・ソン

ネタバレ感想

ニューヨークのバーに居る3人の関係を、他の客が推測しているシーンから始まります。
続いてソウルの子供時代、12歳のナヨンとヘソンは仲良しで将来結婚したいと思っていますが、ナヨンの両親がカナダのトロントへ移住することを決めた為に離れ離れに。
それから12年後、24歳になったナヨンは英語名ノラ(レオノーラ)に代わり、作家を目指してトロントの親元を離れニューヨークに住んでいます。ふと思い出しネットでヘソンを検索すると、彼もノラを探していたことが分かり、スカイプで再会。
ニューヨークとソウルの時差がある中でネットで繋がっていましたが、ヘソンが中国に留学することになり関係が途切れます。
そしてまた12年後、作家仲間だったアーサーと結婚したノラを訪ねて、ヘソンがソウルからニューヨークへやってきます。

セリフは多くないので、それぞれの感情は観る側が想像するようになっています。
情熱的で熱く燃え上がった恋ではないけれど、お互いの関係や距離感が居心地が良さそうなノラとヘソン。
24年後の再会でも、一瞬で昔に戻ったような2人。
しかしノラとアーサーも穏やかな良い関係で、愛しあってます。
ヘソンも2人の関係を壊してノラを奪いたい訳ではなく、ただ会いたかっただけ。

アラ還の自分でも、あの時こうしていたらとか思うことも多少ありますが、
ノラとヘソンは、もしノラの両親が移住しなくても、24歳の時にどちらかが会いに行っていたとしても、
最終的にはノラはニューヨークで作家になっていた気がしました。

劇中に出てくるイニョン(縁)という言葉のとおり、ラブストーリーだけど縁を描いた作品でした。

 

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