評判を聞いて観るのが待ち遠しかった『ファースト・カウ』。
地元で公開されたのでようやく観ました。
ケリー・ライカート監督作初鑑賞です。
First Cow 2019年米 122分
ストーリー
西部開拓時代のオレゴン。偶然出会った料理人のクッキーと、中国人移民のキング・ルー。
仕事も金もなく、何も持たないお互いの境遇に、自然と助け合う様になる2人。
ある日、仲買商人が買い付けた貴重な牛が一頭、この地に初めてやって来た。
2人は夜中に牛の乳をこっそり絞り、盗んだミルクで作ったドーナツを試しに売ってみると大人気に。
商売は大繁盛で、ホテルを営業するという夢が膨らむ2人だったが…。
キャスト
クッキーことフィゴウィッツにジョン・マガロ、キング・ルーにオライオン・リー、仲買商人に『エンパイア・オブ・ライト』のトビー・ジョーンズ、その妻に『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のリリー・グラッドストーン、隊長にスコット・シェパード、ロイドに『トレインスポッティング』のユエン・ブレムナー、他ゲイリー・ファーマー、ルネ・オーベルジョノア、アリア・ショウカットなど。
監督はケリー・ライカート。
ネタバレ感想
男性の友情の話で評判が良いので楽しみにしていたら、
冒頭でまさかの、2人並んだ白骨が掘り出され、
いつ殺されるんだろうとドキドキしながら観るハメに。
時は戻って1820年代、西部開拓時代。
ガンマンと牛飼いのイメージしかなかったけれど、それよりもっと前。
ロシア人に追われていたルーを助けたクッキー、次に再開した時自宅に招待される。
自宅と言っても森に自分で建てた掘立て小屋。
そんな小屋でも、テントしかないクッキーよりはマシ。
クッキーをもてなすためにルーが火を起こしている間に、自然と小屋の掃除を始めるクッキー。
頭が回るルーと優しいクッキー。
パン屋かホテルを始めたいというクッキーの夢に賛同し、ドーナツを売ることを思いつくルー。
予想していたことだけれど、
牛のミルクを盗んでいることがとうとうバレ、追われる2人。
ばらばらになり、一度は逃げたけれど戻ってきたルー。
逃げる途中で怪我をしたのを助けられたクッキー。
寝ている間にクッキーが見たのは、現実か夢か思い出か。
なんとか小屋に戻って再会するる2人。
逃げる途中で疲れたと横たわるクッキーに寄り添うルー。
全編穏やかに時間が流れ、大自然の中で自然の恵みと共に暮らす生活。
いつの間にか一緒の時間を過ごす様になる2人。
この2人の夢が叶えば良いな〜、酷い目に遭わなければ良いな〜。
と思いながら観るのだけれど、残念ながらそうはならないことが分かっているので、
脳内で勝手にハッピーエンディングにも出来ない。
美しくて優しいけれど、ちょっと切ないお話。