バイクで犬と旅するロードムービー『チャーリー』。
これだけ好きなものを並べられたら観るしかないでしょう。
可哀想なだけではなくて、最後は幸せな気持ちになります。
777 CHARLIE 2024年インド 164分
ストーリー
南インド・マイスールで暮らす男ダルマ。子供の頃両親と妹を交通事故で亡くしてから、誰にも頼らず人付き合いをせず、職場でも近所でも偏屈者と言われ、酒とタバコとチャップリンの映画だけを楽しみに生きる孤独な日々を過ごしていた。しかし悪徳ブリーダーのもとから逃げ出してきたラブラドール・レトリーバーの子犬に懐かれ、何度も追い払おうとするが、いつしか心を通わせ、子犬にチャーリーと名付けて迎え入れる。イタズラ好きのチャーリーに振り回されながらも楽しい毎日を送っていたある日、チャーリーが血管肉腫で余命わずかであることが判明。ダルマは雪が好きなチャーリーに本物の雪景色を見せるため、サイドカーにチャーリーを乗せてヒマラヤを目指すインド縦断の旅に出る。
キャスト
ダルマにラクシット・シェッティ、動物愛護委員会のデーヴィカにサンギータ・シュリンゲーリ、獣医師にラージ・B・シェッティ、旅の恩人ヴァムシナダンにボビー・シンハー、雑誌記者にダニシュ・サイトなど。
監督はキランラージ・K。
ネタバレ感想
『RRR』大ヒットのおかげか、インド映画の公開が増えてきましたね。
本作はBGMで音楽は流れるけど、歌ったり踊ったりはなし。
まあ、インド映画らしく長めではあるんですけど、
ダルマとチャーリーの出会いから別れまで、いろんなことが起きて飽きさせません。
まず、前半はダルマがチャーリーにデレるまで。
人付き合いをしないで生きてきたダルマはなかなか強情で、チャーリーと名づけるまでも時間が掛かったけれど、
ビールとイドゥリ(発酵蒸しパン)しか食べなかったのに、チャーリーのためにアイスクリームを買って帰るほどに。
チャーリーと暮らすうちに近所の子供と仲良くなり、職場でも後輩に仕事を教えたりとまるっきり人が変る。
そんな幸せ一杯な日は長く続かず、チャーリーに癌が発覚。
TVに雪が映ると喜ぶチャーリーに本物の雪を見せるために旅に出る後半。
旅の途中でも楽しい事辛い事いろいろな事が起こり、助けを借りながら進むダルマとチャーリー。
団地の子供達からヒトラーおじさんと呼ばれていたダルマが、
犬の保護施設を開設するまでになる変化をじっくりと描いています。
デーヴィカとの恋愛要素が入るのかと思えば、ひたすらチャーリー愛でした。
チャーリーは天国の橋を渡ったけれど、忘形見を残してくれ、
エンドクレジット後にその子との生活の様子というおまけ付き。
旅の終盤でほぼ文無しだったのに、その後の生活がグレードアップしていたり、
保護施設を開設するお金はどこから?とは思いましたけど、
そこはご愛嬌なのかな。
可哀想を上回る可愛らさしさで、鑑賞後の後味も悪くないので、犬好きは必見かと。