挑戦も過酷だけど、演じるのもかなり過酷だったのでは 『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』(ネタバレ感想)

挑戦も過酷だけど、演じるのもかなり過酷だったのでは 『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』(ネタバレ感想)

第96回アカデミー賞で、アネット・ベニングが主演女優賞、ジョディ・フォスターが助演女優賞にノミネートされているNetflix配信中の『ナイアド 〜その決意は海を越える〜』を見ました。
64歳でフロリダ海峡約180キロを泳いで横断する偉業を成し遂げたスイマー、ダイアナ・ナイアドの実話の映画化。

 

Nyad 2023年米 120分

 

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ストーリー

マラソンスイマーを引退して約30年が経ったダイアナ・ナイアド。60歳を迎えた彼女は、28歳の時に挑戦して失敗した「水泳界のエベレスト」と呼ばれるフロリダ海峡横断への再チャレンジを決意。サメや毒クラゲ、激しい湾流などもあってオーシャンスイムの最難関を、サメよけのケージも使わずに生身で泳ぎ切るために、親友のボニーをコーチとし訓練、サポートチームを集め決行するが…。

キャスト

ダイアナ・ナイアドに『キャプテン・マーベル』のアネット・ベニング、親友ボニー・ストールに『モーリタニアン 黒塗りの記録』のジョディ・フォスター、航海士のジョン・バートレットに「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」のリス・エヴァンスなど。
監督はアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した『フリーソロ』のエリザベス・チャイ・バサルヘリィ&ジミー・チン夫婦。

ネタバレ感想

アネット・ベニングといえば自分世代では、マドンナとも付き合っていたプレイボーイのウォーレン・ベイティを落とした知的美人女優のイメージでしたが、この映画の日焼けしたシワだらけの顔を見て、まさか!と。
60代スイマーとしての体型もかなりのインパクト。
親友役のジョディー・フォスターがチャーミングなだけに際立ちます。

ダイアナ・ナイアドは64歳でフロリダ海峡(キューバ〜フロリダ間160km)を60時間かけて泳ぎ切るという偉業を達成した人物。
体力のある28歳の時に失敗したことを、60歳になって再チャレンジするなんて。
しかも60時間泳ぐってどんなマゾ、とか思っちゃいますが、
できると信じたことをやり遂げる意志の強さ(頑固さ)と、
成し遂げたいという想い(諦めの悪さ)で挑みます。
時折差し込まれるダイアナ本人の映像からポジティブな明るさを感じたので、
なるほど、明るく前向きでないと無理だわ。
ボランティアで参加するボニーたちチームの献身に対しても主張を譲らない自己中心的な性格ですが、
父親との関係やコーチからの性的虐待のトラウマに苦しんでもいます。
数々の試練を乗り越え、4年掛けての達成。
最後の力を振り絞ってフロリダに上陸したダイアナが、
自分1人の挑戦だと思っていたのが、チームでの挑戦だったと語ったラストは感動的でした。
マラソンスイマーの泳ぎ方のマスターから撮影まで、演じるのもかなり過酷だったと思います。
天晴でした!

 

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