スティーブン・スピルバーグ監督の自伝的映画『フェイブルマンズ』を観ました。
何というか、格の違いを見せられた感じ。
The Endの文字でハッと現実に帰る、映画ってこうでないとね〜。

The Fabelmans 2022年米 151分 PG12
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ストーリー
1952年、両親に連れられ初めて映画館を観た少年サム。その映画『地上最大のショウ』の列車脱線シーンに大きな衝撃を受け、列車の模型でそのシーンを再現しようとする。母親は彼に8mmカメラを渡し撮影することを勧める。以来、カメラで撮影することに夢中になっていくサム。次第に彼のつくる映像作品は周囲を驚かせるまでになっていくが、まじめな科学者の父は、趣味に過ぎないと思っていた。祖母が死に悲しみにくれる母のために、キャンプの映像を編集してみせるよう父に言われたサムは、編集中にあることに気づき…。
キャスト
サム・フェイブルマンにガブリエル・ラベル、母親に『ヴェノム』『マリリン 7日間の恋』のミシェル・ウィリアムズ、父親に『THE BATMAN ザ・バットマン』のポール・ダノ、ベニーにセス・ローゲン、ボリスおじさんにジャド・ハーシュ、妹のレジーに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のジュリア・バターズ、妹のナタリーにキーリー・カーステン、ジョン・フォード監督にデヴィッド・リンチなど。
監督はスティーブン・スピルバーグ、脚本はスピルバーグ自身とトニー・クシュナー、撮影はヤヌス・カミンスキー、音楽はジョン・ウィリアムズ。
ネタバレ感想
スピルバーグがもう76歳というのもちょっと驚いたんですけど、自伝的映画だけどセンチメンタルではなく、家族への愛は溢れているけれど、とても客観的な視点で撮られています。
『地上最大のショウ』の列車の衝突シーンを観て衝撃を受けた5歳の少年サム。
『激突!』(1971)の原点がここにあったのかと分かる冒頭から、成長しボーイスカウトへ入ったサムがどんどん映画制作にのめり込んでいく様子と共に、科学者の父とピアニストの母、父の仕事の助手のベニーや妹たちとのアリゾナでの生活、父の転職により引越した西海岸でユダヤ人であるためイジメられる高校生活などが語られていきます。
映画が楽しいからのめり込んだというより、撮らずにはいられなかった、そして撮った映像で突きつけられる真実が辛い。映っているものが全てではなく、映された者の本当の想いは背後に隠れている。
家族が辿った道も意外でしたが、卒業生のための記録映像で神の様に映されたローガンの反応が印象的でした。
ジョン・フォード役誰かと思えばデヴィッド・リンチだったのにはクレジットを見るまで気づかず。
これまで小出しに描かれていた家族や映画への想いが、この映画でようやく昇華できたのかな〜。
個人的には、この映画がオスカーを取らなくてどうするって気持ち。
ぜひ♪
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コメント
なかなか高評価ですね(^^♪ シアター鑑賞できたのですがママ大好き!押しに少々眠くなりました(こら!)高校生活での映画作りや卒業パーティーでの作品公開シーンは面白かったです。
風森湛さん
話題のエブエブを観てからこの映画を観たら、スピルバーグってこんなに上手い監督だったんだと改めて気付かされました。
ちょっと目から鱗でした。
そう、客観的に描いてたよね。センチメンタル路線じゃなくて、それが良かった。
8ミリの撮影と編集って当時はなかなか地道な作業。フィルム代も高いしね~。ちょっとだけやったことがあるので懐かしい(笑) 家族の物語が思わぬ方向に行ってびっくりしたけど、それがあるから今があるのかな。両親に捧げる映画だったものね。
もうデビッド・リンチ! 参りました! 辛い出来事が多いけど、最後は爽快感。
アカデミー賞は残念だったね~。エブエブを観てないから、何とも言えないとこだけど。
やはり観に行っとこうかな。
keroちゃん
ぶっちゃけ、エブエブを観た後でこの映画を観たら、凄いのを再認識。
ここまで完成度が高い映画が無冠なのにも意味はあるんだろうけど、それで良いのかみたいな気持ちも。まあオスカーってお祭りだから。
エブエブはRRRとは違う勢いで、ノレるかノレないかだと思うよ。