ナウシカっぽい感じも 『VESPER/ヴェスパー』(ネタバレ感想)

ナウシカっぽい感じも 『VESPER/ヴェスパー』(ネタバレ感想)

ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で最高賞にあたる金鴉賞を受賞した『VESPER/ヴェスパー』を観ました。
ダークファンタジーSF、ファンタジー系はつい観ちゃいますね〜。

VESPER 2022年フランス/リトアニア/ベルギー 114分

 

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ストーリー

生態系が壊れてしまった地球では、一部の富裕層のみが城塞都市シタデルに暮らし、貧しい人々は危険な外の世界でわずかな資源を奪い合いながら生きていた。外の世界で寝たきりの父と暮らす13歳の少女ヴェスパーは、ある日、森の中で倒れている女性カメリアを見つける。シタデルの権力者の娘だという彼女は、墜落した飛行艇に一緒に乗っていた父を捜してほしいという。うまくいけばシタデルへの道を切り拓けるかもしれないと考えたヴェスパーは、父の制止を振り切ってカメリアの頼みを引き受けることに。しかし地域を支配する残忍なヴェスパーの叔父ヨナスもまた、墜落した飛行艇の行方を追っていた。

キャスト

ヴェスパーに『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』のラフィエラ・チャップマン、父ダリウスにリチャード・ブレイク、叔父ヨナスに『オペレーション・フォーチュン』のエディ・マーサン、カメリアにロージー・マキューアンなど。
監督はクリスティーナ・ブオジーテ&ブルーノ・サンペル。

ネタバレ感想

SFだから、といえばそれまでなんだけれど、分からないことだらけの不思議な世界。
冒頭の説明で、ウイルスによって食用の植物や動物が絶滅し、人類は遺伝子操作によって生き延びている。
富裕層は“シタデル”と呼ばれる封鎖された都市で生き、それ以外の生き残りは外の世界で貧しい暮らしを強いられている。外の人々の食糧は、シタデルから提供される植物のタネに依存しているが、このタネは品種改造によって1度しか作物を実らせることができない。なんでそんな意地悪するんやー、というのが素朴な感想。

主人公である13歳のヴェスパーは、合成生物学に優れている。
父親の生命維持装置を管理しているし、植物を交配させていたり、傷を治す包帯を作っていたり。
合成生物学を誰に教えてもらったのか、父親は元軍人だし、出て行った母なのか、
それとも研究所と呼んでいる場所でミイラとなっている誰かなのか?

昔は機械は金属でできていたものだけれど、最近の流行りなのか、ドローンなどの機械が植物由来の物で出来ていて、
クロネンバーグの『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』ほどではないけれど、ちょっとキモい。
風の谷のナウシカ』に似ているという感想も見たけど、
確かに瘴気が漂っている腐海っぽい世界。

”ジャグ”と呼ばれる人造人間カメリアを見つけたことで、ヴェスパーの人生が動き出す。
ラスト、1度しか実らないというタネのロックを外すことに成功したヴェスパーは、
そのタネを大地に放つ

もうシタデルを目指していない彼女は、これからどうするのか?
ちょっと先が気になる終わり方でした。

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