思わぬ拾いもの 『僕を育ててくれたテンダー・バー』(ネタバレ感想)

思わぬ拾いもの 『僕を育ててくれたテンダー・バー』(ネタバレ感想)

引き続きAmazonプライムビデオ。
今度はAmazonオリジナルでと思って選んだ『僕を育ててくれたテンダー・バー』。
邦題はくさいけど、これが結構良かったんですよ!
ジョージ・クルーニー監督作、ベン・アフレックが良い味出しているなと思ったら、
第79回ゴールデングローブの助演男優賞にノミネートされてましたわ。

 

The Tender Bar 2021年米 106分

 

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ストーリー

1973年、米ニューヨーク州ロングアイランド。家賃滞納でアパートを追い出され、母と共に母の実家へ戻ってきたJR。ラジオでDJをしている父とは会ったことがない。母の実家では祖父母や伯父のチャーリー、また彼の経営するバーの常連客と過ごしながら成長するJR。母が望む弁護士になるためイエール大学に合格したJRだったが、作家への夢が捨てきれない。大学で出会ったシドニーに一目惚れしたJR、彼女と良い雰囲気になるものの、彼女には恋人がいて…。

キャスト

青年期のJ・R・モーリンガーに『レディ・プレイヤー1』のタイ・シェリダン、少年期はダニエル・ラニエリ、母ドロシーにリリー・レーブ、叔父のチャーリーに『AIR/エア』のベン・アフレック、祖父に「マンダロリアン シーズン3」のクリストファー・ロイドなど。
監督はジョージ・クルーニー

ネタバレ感想

J・R・モーリンガーはピュリッツァー賞受賞ジャーナリストで作家。
彼が2005年に発表した同名自叙伝の映画化。
父親不在なのにジュニアという名前を付けられた少年の、アイデンティティの葛藤の物語。

少年JRが連れてこられた祖父母の家、叔父のチャーリーは結婚せずに実家暮らし。
叔母も何かあると子連れで実家に戻ってくるので、狭い家はいつも賑やか。
人生哲学から大学の専攻まで何でも教えてくれる頼れる叔父チャーリーは、ディケンズという名前のバーを経営している読書家。愛情溢れる彼のうんちくが味があって面白い。
ギリシャ語やラテン語も話せる大卒なのに偏屈な祖父も学校の懇談会に来てくれたり、バーの常連であるチャーリーの仲間たちなど、父親はいなくても周囲のユニークで真っ当な大人が彼の成長を見守ります。
青年になったJRと神父との列車内での会話シーンもさりげなく良い。
フィアンセがいるシドニーとの恋や就活に苦しむ大学時代。
卒業後に再会した父親との決別で、自分のアイデンティティを取り戻したJRが、
チャーリーからの餞別の車を運転してマンハッタンへ向かうラストが清々しい。
鑑賞後、ちょっと良い気分になる一作。

 

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