解釈は人それぞれ 『林檎とポラロイド』(ネタバレ感想)

解釈は人それぞれ 『林檎とポラロイド』(ネタバレ感想)

予告を観て面白そうだと感じていた『林檎とポラロイド』をシネマ・ルナティックで観ました。
人によって解釈が変わりそうな内容でした。

Mila/Apples 2020年ギリシャ/ポーランド/スロベニア 90分

 

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 ストーリー

記憶喪失を引き起こす奇病が蔓延する世界。ある日突然記憶を失った男は、治療のための回復プログラム「新しい自分」に参加する。失った記憶は戻らないので、新たな記憶を作るという。彼は毎日送られてくるカセットテープに吹き込まれたミッション、自転車に乗る、仮装パーティで友だちをつくる、ホラー映画を観るなど様々な体験をし、ポラロイドカメラで写真に記録する。そんな中、男は同じく回復プログラムに参加する女と出会い、次第に親しくなっていくが…。

キャスト

主人公の男(最後まで名前は出てこない)にアリス・セルヴェタリス、彼が出逢う女性にソフィア・ゲオルゴヴァシリ、他『籠の中の乙女』のアナ・カレジドゥアルジョリス・バキルティスなど。
監督はクリストス・ニク、制作総指揮にケイト・ブランシェット

ネタバレ感想

自宅の壁に頭をぶつけている男。
TVのニュースでは記憶喪失症の新しい治療法が出来たことを告知。
外出した男は行く先々で、突然記憶を無くした人を見かけます。
バスの中で寝てしまった彼は、終点で起こされた時に記憶を失っていました。
林檎が好きなこと以外は。という摩訶不思議な感じで始まります。
突然記憶を失くした人で溢れている病院。
家族が探してくれる人は身元がわかるけれど、そうでない人は身元不明者。
身元不明者である彼に、病院の医師が新しいプログラムを勧めます。
失った記憶の代わりに新しい記憶を作るというプログラムで、毎日いろんな体験をして、ポラロイドカメラで写真に残すように指示されます。
指示された体験が、なぜそれを?と思う内容で、バーで女性と出会って身を任せろとか(ゲイだったらどうするの?と思いましたけど^^;)、10mの飛び込み台からプールへ飛び込めとか(いや、無理でしょ!)、トイレでセックスしろとか(この時は女性じゃなくてもいいってことでしたが)。( ̄-  ̄ ) うーん
順調にミッションをこなす主人公に医者は満足気ですが、どんな効果があるとか、いつまで続けるとかは一切教えてもらえません。馬鹿馬鹿しくなったのか、止めてしまう主人公。

私は、彼は記憶喪失にはなってないと解釈しました。
妻を亡くした彼は記憶を失くしたいくらい悲しんでいて、ふと出来心で記憶喪失になったふりをしたんだと思います。
過去を捨てて別の人生を生きようとしたけれど、捨てきれないことに気づき、それでも前へ進もうとして、元の生活に戻ったんだと思いました。
そう思うと、ちょっと切ない映画でした。

 

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