ムーミンの原作者であるフィンランドの作家、トーベ・ヤンソンの半生を描いた『TOVE /トーベ』を観ました。
それほど気になってはなかったのですが、カメラが揺れていたみたいで、中盤から少々カメラ酔い。(>_<)
この酔いやすい体質、どうにかならないもんでしょうか。(;-_-) =3 フゥ
TOVE 2020年フィンランド/スウェーデン 103分
ストーリー
1944年第二次世界大戦下のフィンランド、ヘルシンキ。「ムーミントロール」の童話を書き始めたトーベ・ヤンソンは、彫刻家の父ヴィクトルから絵画以外は芸術ではないと言われ、家を出てアトリエを借り創作活動に励む。
パーティで出会った議員のアトス・ヴィルタネンと恋に落ちたトーベだったが、イラストの仕事を頼みたいと訪ねてきた市長の娘ヴィヴィカ・バンドラーにも惹かれていく。
キャスト
トーベにアルマ・ポウスティ、30〜40代のトーベを演じています。
アトスに『ストックホルム・ケース』のシャンティ・ローニー、ヴィヴィカがショーン・ヤングに似ているなと思っていたら、演じたクリスタ・コソネンは『ブレードランナー 2049』に出ていました。
トゥーリッキにヨアンナ・ハールッティ、父ヴィクトルにロベルト・エンケル、母シグネにカイサ・エルンスト。
監督はザイダ・バリルート。
ネタバレ感想
正直なところ、キャラクターとしてのムーミンは知っているものの、本は読んだことがないし、ムーミンの歌は知っているからTVアニメは見ていたんだろうなレベル。
当然作者のトーベ・ヤンソンについても名前くらいしか知リませんでした。
観るにあたってはそれでも問題はないですが、ムーミンのお話の中のキャラの性格とか分かっていればより楽しめたかも。
映画は、創作面と恋愛面の2つの側面からの30〜40代のトーベ。
彫刻家の父と挿絵画家の母という芸術家の両親を持ったトーベ。ムーミンを描くトーベに、それが芸術なのかと言う父。
家を出ても厳格な父親の影響から抜け出せず苦悩するところは、私も長女なのでちょっと分かる気がします。
自分がやりたい事と芸術家として父や世間に認められたい気持ちの間で揺れている。
画家でも作家でも、自分がやりたいことをすれば良いと悟るまでの創作面での葛藤が描かれていました。
恋愛については、芸術家だからなのか戦後すぐにしてはおおらかなのにちょっとビックリ。
(同性愛は当時は犯罪だった様だし、保守的なお国柄みたいだけれど、実際の厳しさは描かれず。)
トーベは既婚者のアトスを誘うし(奥さんも浮気してたし)、やはり既婚者で同性のヴィヴィカに誘われても応じます。それが恋なんだろうけど、創作に関してはストイックなのに、恋愛に対しては自由。
ヴィヴィカへの恋心をキッパリ断ち切ったところも、自由でいたい人なんだろうなと思いました。
トーベのアトリエ兼住居が、最初は瓦礫が散らばっているような場所だったのに、どんどん内装が素敵になっていくのを見ているのも楽しかった。
北欧の人は室内で過ごす時間が長いからインテリアに凝るというのを聞いたことがあるけれど、センスが流石芸術家。
アトスの家も素敵でした。
使われている50年代の音楽も良かったです♪
自立して自由でいるトーベ、現代でも参考になる生き方でした。