思いどおりにいかない人生に祝杯を 『アナザーラウンド』(ネタバレ感想)

映画の旅

第93回アカデミー賞国際長編映画賞受賞作品『アナザーラウンド』を観ました。
中盤から胃がムカムカし始め(映画にムカついた訳ではありません)、登場人物たちの飲酒を見て酔った気分になったのかと思いましたが、結構カメラが揺れていたみたい( ̄∀ ̄*)イヒッ

DRUK 2020年デンマーク/スウェーデン/オランダ 117分 PG 12

 

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ストーリー

マーティン、トミー、ピーター、ニコライの高校教師達、それぞれ家庭の悩みを抱え、惰性で仕事もこなしていた。
ニコライがある日、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という話をし、マーティンが試しに飲んで授業をしてみたところ、生徒からも大ウケ。実験と称して朝から酒を飲み続け、常に酔った状態を保つと授業も楽しく、生徒たちとの関係も良好になり、人生は良い方向に向かっていくと思われた。調子に乗った4人は徐々にアルコール濃度を上げていき……。

キャスト

マーティンにマッツ・ミケルセン、元ダンサーの彼のラストのダンスが素敵。
トミーにトマス・ボー・ラーセン、ニコライにマグヌス・ミラン、ピーターにラース・ランゼ、マーティンの妻アニカにマリア・ボネヴィーなど。
監督は『偽りなき者』のトマス・ビンターベア

ネタバレ感想

偽りなき者』は録画しているのにまだ見てないんですよね。( ̄▼ ̄;アハッ・・・・
その監督とキャストが再びタッグを組んだ作品。

デンマークって飲酒の年齢制限は無いらしく、アルコール度数16.5%以下の酒類なら16歳から店頭で購入できて、18歳になればどんなお酒も買えるようになり、レストランやバーで飲酒することも許されているらしい。
そんな環境でも近年はアルコールに対して厳しい世論がある様で、この映画ではお酒の良い面と悪い面の両方を描いています。
人生の目的を見失ってしまった中年男性4人が、アルコールのおかげで生きる喜びを再発見。
そこで止めておけば良いんだけど、もっと飲めばもっと良くなると思ってしまう人間の悲しい性。
手痛いしっぺ返しを食らってしまいます。
中盤からトミーに嫌な予感がして気が気でなくなるのですが、やはりな結末。
ラストのマーティンの辛さを振り切ったダンスは、人生ままならないけれど、今を懸命に生きようという誓いに見えました。背後で卒業を喜ぶ高校生たちとの対比がズーンときますね。

当然かもしれませんが、撮影中は一切飲まずに演じているそうで、役者って流石ですね〜。

 

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コメント

  1. einhorn223 より:

    ラストの開き直りみたいなのは、デンマークのお国柄なのかなって思っちゃいました。奥さんも「この国の連中はみんな飲んだくれだ」なんて毒を吐いても、最後は「あなた、会いたいわ」なんて、酒飲みであることがベースの文化なんだろうなあ。日本もちょっと前までは酔っ払いには寛容でしたけど、グローバル化や、ネットの普及で、様々なことに不寛容が標準になってきましたから、デンマークも、今が楽しければ、いくら飲んだっていいじゃんとは、言ってられなくなるのかも。

    • 木蓮 木蓮 より:

      einhornさん

      人様に迷惑を掛けなければ飲んだくれても良いとも思いますが、トミーみたいになっちゃうと笑えないですね。アルコール中毒になるのはお酒に強い国民の方がなりやすい気がします。
      お酒は楽しく飲みたいです。

  2. 風森湛 より:

    マッツ・ミケルセンが普通の人を演じてるのは観てみたいです。
    「ハンニバル」とかばっかりが印象に残って・・・(;^_^A
    教師が飲酒して授業って???そんな事が許されるお国柄?
    現実でも、楽しい飲酒なら全然かまわないけれど
    私の様に飲めない人間は、どうしても絡まれる事が多くて
    良いイメージがありません(;^_^A

    • 木蓮 木蓮 より:

      風森湛さん

      確かに、普通の人役をあまり見ていないかも( ̄∀ ̄*)イヒッ
      いえ、流石に学校では許されないので内緒なのですが、いくらたくさん飲めたとしても、節度を超えると破綻していくのはどこの国でも同じですね。
      人に迷惑かけたらアカンです!

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