昨年の賞レースを席巻し、第77回ゴールデングローブ賞でも外国語映画賞ノミネート、主演のオークワフィナは主演女優賞に輝いた『フェアウェル』、元々は4月に公開予定だったのが延びに延び、ようやく観ることができました。
THE FAREWELL/別告訴她 2019年米/中 100分
ストーリー
ニューヨークに暮らすビリーは両親から、祖国中国に住む大好きな祖母がガンで余命3ヵ月の宣告を受けた事を聞く。最後まで病のことは祖母には伏せておく事を親族で決定していた。いとこの結婚式を口実に中国へ帰郷する両親から、嘘が付けないビリーはニューヨークに残るよう言い付けられたが、祖母に会いたさに勝手に帰ってしまう。決して祖母に告知をしない事を条件に滞在を許されたビリーだったが、黙っていることに納得がいかないまま悶々とする。
キャスト
ビリーに『オーシャンズ8』や『ジュマンジ/ネクスト・レベル』のオークワフィナ。
ビリーの父に『ムーラン』でも父親役のツィ・マー、他ダイアナ・リン、チャオ・シュウチェン、チアン・ヨンポー、チェン・ハン、水原碧衣など。
監督はルル・ワン。
ネタバレ感想
ルル・ワン監督の実体験を元に作られた本作。
西洋と東洋の文化の違いをテーマにしたコメディではあるのですが、余命3ヶ月である事を祖母に告知するかどうかというデリケートな内容なので、さほど笑えない。
最後の最後にこの映画のモデルになった監督のおばあさんは、6年以上元気でいる事が暴露されるので、やはりコメディなんでしょうね。
中国にルーツを持つけれど25年以上アメリカで暮らすビリーと両親は、西洋と東洋の考え方の違いの間で揺れ動きます。
ビリー自身や家族や祖母に対しての繊細な気持ちを描いた作品ながら、”今”の中国が舞台というのも新鮮でした。叔父も中国を離れ日本で暮らしていて、従兄弟の結婚相手は日本人。そういうのも今では特に珍しくないんでしょうね。
アメリカや日本に移住しなくても、今では中国の方が経済的に成功できるというセリフが劇中で出てきて、ビリーの父や叔父が中国を離れた25年前と比べると経済成長が著しかったことがよく分かります。
同時に昔から変わらないことも描かれていて、結婚式のシーンも面白かったですね。結婚式で新郎新婦が歌う「竹田の子守唄」には違和感たっぷりでしたけど。( ̄▼ ̄|||)
興味深い作品ではありましたが、感涙必死とか大感動みたいなことはなくて。( ̄∀ ̄*)イヒッ
オークワフィナの新たな一面が見られたのは良かったです。