飛行中の機内で発生したバイオテロが起こしたパニックを描いたスリラー『非常宣言』を観ました。
ソン・ガンホ目当てでしたが、ハラハラが止まらない緊張感でした。
EMERGENCY DECLARATION 2022年韓国 141分
ストーリー
娘とともにハワイへ向かうべくジェヒョクが搭乗したKI501便で、離陸直後に1人の乗客が死亡する。その後も、次々と乗客に異変が起こり機内はパニックに。一方、緊急招集をかけられ妻とのハワイ旅行をキャンセルしたベテラン刑事のク・イノは、飛行機へのバイオテロを予告するネット動画の捜査を開始し、やがて容疑者の男が妻と同じKI501便に搭乗していることを知る。KI501便の異変は男がばら撒いた致死性のウイルスによるものだった。すぐさま国土交通大臣のスッキが対応に乗り出すも、未知のウイルスへの脅威からどこにも緊急着陸の許可が下りず、飛行を続けるタイムリミットが迫るKI501便だったが…。
キャスト
ク・イノ刑事に『パラサイト 半地下の家族』、『ベイビー・ブローカー』のソン・ガンホ、娘と一緒に搭乗したジェヒョクに『マグニフィセント・セブン』のイ・ビョンホン、国土交通省大臣に『シークレット・サンシャイン』のチョン・ドヨン、副操縦士のヒョンスにキム・ナムギル、チーフパーサーのヒジンに『モガディシュ 脱出までの14日間』のキム・ソジン、テロを起こすリュ・ジンソクにイム・シワン、大統領危機管理センターのテスにパク・ヘジュンなど。
監督はハン・ジェリム。
ネタバレ感想
冒頭で、「非常宣言」とは「飛行機が危機に直面し、通常の飛行が困難になったとき、パイロットが不時着を要請すること。“これ”が布告された航空機には優先権が与えられ、他のどの航空機より先に着陸でき、いかなる命令を排除できるため、航空運行における戒厳令の布告に値する」という説明が流れます。
水戸黄門の印籠の様に、「非常宣言」を出せば即座に対応してくれるのかと思えばそうでもなく、それだけ未知のウィルスが恐ろしいことは、現実の今の状況で身にしみて分かっていますよね。
バイオテロが起こったパニック状態の機内、妻が乗っているその機を無事に降ろしたい刑事と国交相大臣との地上での奮闘が並行して描かれます。
犯人を確保するものの死亡、次々と感染する乗客に乗務員、機長が操縦不能になりきりもみ状に落下する機内の迫力はセットで撮影したそう。そして副機長も倒れた後の操縦は誰がするのか。
地上では犯人の足跡からウィルスの特定、抗ウィルス剤の確保が出来たものの、全員が感染している飛行機の受け入れを他国のみならず自国でさえ拒否します。
妻を助けたい刑事が土壇場で取った捨て身の行動、副操縦士とジェヒョクの因縁、着陸拒否された乗客たちの選択など、ドラマも切れ目なく畳み掛けてくるので、目が離せません。
韓国映画のシビアなドラマ展開にはいつも感心させられます。
犯人の動機を安直に決めて決着をつけないところも良かったです。