『TITANE チタン』を観ました。
交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれてから車に対して性的な衝動に駆られる話と聞いていたので、
デヴィッド・クローネンバーグ監督の『クラッシュ』みたいな話かと思っていたら、そんなもんではない奇想天外さでしたね。
TITANE 2021年フランス/ベルギー 108分 R15+
ストーリー
幼い頃に交通事故で頭部を負傷し、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア。以来、“車”に対して異常な執着を抱くようになっていた。罪を犯し追われる身となったアレクシアは、失踪中の少年と偽り孤独な消防士ヴァンサンの前に現れる。ヴァンサンはアレクシアを10年前に失踪した息子アドリアンだと思い込み、2人は奇妙な共同生活を始めるのだったが…。
キャスト
アレクシア/アドリアンにアガト・ルセル、消防士の隊長ヴァンサンに『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』(古っ!)のヴァンサン・ランドン。
他ギャランス・マリリエ、ライス・サラーマ、ベルトラン・ボネロなど。
監督は『RAW 少女のめざめ』のジュリア・デュクルノー。
ネタバレ感想
第74回カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた作品。
父親の運転する車の後部座席で、モーター音のような唸り声を上げている少女。
怒っているのか、何に対して怒っているのかも分からないうちに交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンを埋め込む手術シーン。序盤から画面を直視できないシーン多発。
成長しショーガールとなった彼女。執拗なファンをあっさり刺殺。
悪びれる様子も特になくシャワーを浴びているとドアを叩く音。
裸のままドアを開けるとヘッドライトを点灯させるキャデラック。
意思があるかのようなキャデラックとセックスする彼女。
という感じの、ぶっ飛んだストーリーがまだまだ続きます。
ストーリーをそのまま書いても多分、さっぱり分からないと思います。
案外笑えるシーンもあって、自分の秘密を知った人間を容赦なく殺していくのですが、そこに躊躇いはなく、ガタイの良い相手に対しても怯まず挑みます。疲れても諦めないところがなんだか潔い。
(しかしなかなかの暴力シーン。刺すとか苦手なんですよね〜^^;)
そんな自由奔放な前半と打って変わり、ヴァンサンと出会ってからの後半はひたすら我慢。
自分の中に7歳の少年の面影を見て、アドリアンに化けるアレクシアもどうかと思うけれど、10年前に失踪した息子を名乗る人間を、一目見ただけで間違いないと連れ帰るヴァンサンにも危うさを感じていると、案の定イカれている。
それでも直向きに息子を守ろうとするヴァンサンに愛情を感じるアレクシア。
何もかも分からないので、集中して観入ってしまいました。
観終わった後も、結局何を観せられたのか分からないのですが、凄いもの観たな〜という感想。