アンドリュー・ガーフィールドがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされているNetflix映画『tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!』を見ました。
ミュージカル「RENT レント」を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝をミュージカルで映画化。
同じくアカデミー賞の作品賞などにノミネートされている『ウエスト・サイド・ストーリー』の作詞家スティーブン・ソンドハイムに憧れていた彼、同じ時期に映画化され一緒にノミネートされるとは不思議な偶然ですね。
しかも、『イン・ザ・ハイツ』のリン=マニュエル・ミランダ監督デヴュー作でした。
tick, tick… BOOM! 2021年米 115分
ストーリー
1990年のニューヨーク。ミュージカル作曲家を目指しているジョナサン・ラーソンは、もうすぐ30歳になるため焦りを感じていた。目標としているスティーブン・ソンドハイムは27歳でデヴューしていた。食堂のウェイターのバイトをしながら、8年間もロックミュージカルの楽曲を書いては直しを繰り返し。親友のマイケルは役者業に見切りをつけ、広告代理店に就職し成功していた。ようやくミュージカルのプレゼンテーションに漕ぎ着けたジョナサンだったが、肝心の曲が書けず、焦るものの時だけが過ぎていき……。
キャスト
ジョナサンにアンドリュー・ガーフィールド、恋人スーザンに『X-MEN:ダーク・フェニックス』でストームを演じたアレクサンドラ・シップ、親友のマイケルにロビン・デ・ヘスス、エージェントのローズにジュディス・ライト、スティーブン・ソンドハイムにブラッドリー・ウィットフォード、他ジョシュア・ヘンリー、ヴァネッサ・ハジェンズなど。
監督は『メリー・ポピンズ リターンズ』のリン=マニュエル・ミランダ、コック役でカメオ出演も。
ネタバレ感想
実在の作曲家ジョナサン・ラーソンが主人公の伝記的作品。
1991年に上映された自伝的ロック・モノローグ「30/90」(人生90年のうちの30年という意味。後に「tick, tick… BOOM! 」と改題)の舞台をとおして、彼が舞台上映に漕ぎ着けるまでの生活や葛藤を描きます。
最初、ジョナサンが書いている曲がこの舞台「30/90」かと思えば、これより前の「Superbia」のものでした。
親友や恋人が次々と就職先を決めていく中、大事なプレゼンテーションの舞台の曲が全く思い浮かばない焦りが歌を通して伝わってきます。
やっとのことで曲を作り、プレゼンテーションの評判は良かったものの、上映してくれる劇場は見つからず、全てを諦めようとした時、友人や憧れのソンドハイムの声で再び新作に取り掛かります。
アンドリュー・ガーフィールド、こんなに歌える人とは!天晴です。
ようやく書けた曲のプレゼンテーションの時、パフォーマーのヴァネッサ・ハジェンズとスーザンのアレクサンドラ・シップとで次第にデュエットになっていく構成が素晴らしかった。
「ムーンダンス・ダイナー」での”Sunday”は圧巻。
本作、今まで見たミュージカルの中で一番良かったかも。
ジョナサン・ラーソンは1996年「RENT レント」の初日未明大動脈瘤破裂で亡くなりました。
人生は90年ではなかったけれど、「RENT レント」は2008年まで上映され、2005年には映画版も公開されました。