役所広司目当て(役所広司のファンなのは以前の記事で書きました)で『すばらしき世界』観ました。
邦画をあまり観ていないので、西川美和監督作は実は観るの初めて。( ̄∀ ̄*)イヒッ
第56回シカゴ国際映画祭にて、作品は観客賞、役所広司は最優秀演技賞を受賞。

すばらしき世界 2020年日 126分 G
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ストーリー
殺人を犯した三上は、13年の刑期を終え出所。身元引受人の弁護士・庄司の助けを借り、持病のある三上は不本意ながら生活保護を受けて自立の道を探っていた。スーパーへ行くと万引きの疑いを掛けられ、アパートでは生活保護の身をヤジられる。三上の実直な性格は次第に周囲に味方を作っていく。そんなある日、生き別れた母を探す三上に、若手テレビディレクターの津乃田とやり手のプロデューサーの吉澤が近づいてくる。彼らは、社会に適応しようとあがきながら、生き別れた母親を捜す三上の姿を感動ドキュメンタリーに仕立て上げようとしていた。
キャスト
三上に役所広司、ディレクターの津乃田に仲野太賀、スーパーの店長・松本に六角精児、ケースワーカーの井口に北村有起哉(北村和夫の息子さんということを朝ドラ「エール」の時に知りましたが、声がそっくりですね)、身元引受人の庄司に橋爪功、庄司の妻に梶芽衣子、プロデューサーの吉澤に長澤まさみ、元妻に安田成美、下稲葉組長に白竜、妻にキムラ緑子など。
監督は『夢売るふたり』と『永い言い訳』の西川美和。
ネタバレ感想
直木賞作家・佐木隆三が実在の人物をモデルにつづった小説「身分帳」を原案に、舞台を原作から約35年後の現代に置き換えた作品。身分帳とは、刑務所の受刑者の生い立ちや犯罪歴などを事細かに記した個人台帳のようなもの。
西川監督はどうしても役所広司に三上を演じて欲しかったそう。
現代が舞台だけに、ムショ帰りが生きづらいということは容易に想像できます。
前科のない人でさえ十分生きづらい世の中だから。
三上は50代、元暴力団員で人生の大半を堀の中で過ごし、血圧も高く心不全の兆候も。
やむなく生活保護の申請に行けばケースワーカーから反社会的勢力はだめと言われ、スーパーに行けば店長から万引きを疑われる。三上の正義感が強く根が真面目な性格であることが分かると、店長もケースワーカーも協力的になるけれど、彼ら自身社会からの重圧や生活の厳しさも抱えていて、キレやすい三上を受け止めきれない事も。
困っている人を助けるには、経済的なことはもちろん、気持ちにも大きなゆとりが必要だけれど、今の世の中、そんなゆとりがある人間は少ないし、善人ほど自分の無力に打ちのめされて、逆に病んでしまう。
劇中で庄司の妻が言う「もっといいかげんに生きなさい」が現代の生き方なのかも。
そのほかにも印象的なセリフも多くて、ケースワーカーの「独りにならず、社会と関わり合いを持つことが大切」とか
極道の妻の「空が広いそうですよ」、吉澤から津乃田への「カメラを回さないんなら間に入って止めろ」など、どれも的確だな〜と。
三上に共感できたかは分からないけれど、三上が泣くシーンはついつられて泣いてしまった。
自分が小心者だからか、悪い結末になったら嫌だな〜とドキドキしながら観てしまうのですが、ある程度予想がついたこの結末は悪くはなかったけれど、三上にとってはどうだったんでしょうね。
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コメント
なかなか映画館へ行く時間が無いので
TV放送を待かなぁと思ってたけど
佐木隆三氏の原作なら俄然観る気が!(;^_^A
自分も寛容な性格ではないので
勉強になりそうです。
風森湛さん
佐木隆三、ご存知なんですね。
普段なら邦画は後回しになっちゃうんですけど、
如何せん洋画が少なくて。
おかげで観ることになって良かったです( ̄∀ ̄*)イヒッ
劇場で予告編を何度も観ましたが、主人公は結構キレやすいキャラなんですね。小心者の私には苦手なタイプです。生きづらい世の中と言いながら、独りになるなと言うのは、なかなか無理難題という気もしますが、そこにどう折り合いをつけるのかは興味あります。「いいかげんに生きろ」と言われても、いいかげんに生きたら周囲に迷惑だし、迷惑かけたくないと独りになるのもダメなら、八方収まる解決策なんかなさそうですもの。
einhornさん
喧嘩上等みたいな生い立ちの主人公でした。
ある意味主人公の方がまともで、嫌なこともダメなことも見て見ないふりをしながら生きている自分たちや、社会の方がおかしいのかもな〜(実際おかしな世の中だし)と考えさせられたりもしました。