舞台化も映像化も何度もされているシェイクスピアの戯曲4大悲劇のひとつ「マクベス」。
今回の主演はデンゼル・ワシントンとフランシス・マクドーマンド。
モノクロのスタイリッシュな映像を監督したのは、コーエン兄弟の兄ジョエル。単独監督は今作が初めて。
A24製作、Appleオリジナル作品。
The Tragedy of Macbeth 2021年米 105分 R15+
ストーリー
荒野で魔女たちと遭遇し予言を受けてから、スコットランドの将軍マクベスは、妻にも背中を押され、己がうちに秘めていた野心を抑えられなくなっていた。やがて、マクベスは王位簒奪を決意するに至るが、その先に待ち受けていたのは悲劇的な結末であった。
キャスト
マクベスに『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』のデンゼル・ワシントン、第94回アカデミー賞主演男優賞ノミネート。マクベス夫人にジョエル・コーエン監督の妻で『ノマドランド』のフランシス・マクドーマンド。
マクダフに『カラーパープル』のコーリー・ホーキンズ、ダンカン王に『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』のブレンダン・グリーソン、マルカムに『ほの蒼き瞳』のハリー・メリング、魔女に『哀れなるものたち』のキャスリン・ハンター、バンクォーにバーティ・カーヴェルなど。
監督はジョエル・コーエン。
ネタバレ感想
シェイクスピアだから長尺だろうなと思っていたら105分で、さっくり見られました。
モノクロで極力削ぎ落としたセットは、スタイリッシュで美しい映像だけど、寒々しく冷え冷えした感じ。
野心と不安に苛まれていくマクベス夫妻の心理、ひとつの嘘・ひとつの殺人からどんどん後戻りできなくなっていく展開に合っていました。
無機質な背景の中で俳優の演技がフォーカスされ、デンゼルもマクドーマンドも上手いのはもちろん、
3人の魔女を1人で演じたキャスリン・ハンターが不気味で怖かった〜。
「マクベス」は動くはずのないバーナムの森が動くところと、女の股から生まれた者には殺されないはずだったのが覆されるところがクライマックスだと思っていたのですが、当たり前すぎるシーンだからか、その辺はサラっと描いているのが意外でした。(Apple TVの配信で見たので、字幕もちょっと分かりにくかった気が^^;)
自分も何作か見ていますが、「ハムレット」同様、舞台も映画もたくさん作られているので、それぞれの演出や演技を比べるのも楽しいし見どころですね。