料理という愛の営み 『ポトフ 美食家と料理人』(ネタバレ感想)

料理という愛の営み 『ポトフ 美食家と料理人』(ネタバレ感想)

ポトフ 美食家と料理人』も観ました。
こちらも愛の映画でしたね。
第76回カンヌ国際映画賞監督賞受賞作。

 

La Passion de Dodin Bouffant 2023年仏 136分

 

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ストーリー

1885年のフランス。森の中の美しいシャトーに暮らし「食」を追求し芸術にまで高めた美食家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する天才料理人ウージェニー。ウージェニーとドダンは二人の厨房で20年も共に過ごし、特別な感情が芽生えていた。ウージェニーへ結婚を持ちかける度に断られていたドダンだったが、体調を崩したウージェニーを献身的に支えるドダンに、とうとうウージェニーもプロポーズに答える。愛する人と極上の料理を愛する仲間たちに囲まれ、幸せを噛み締めるドダンだったが…。

キャスト

美食家ドダンに『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』のブノワ・マジメル、良い渋おじになりましたね。
料理人ウージェニーにジュリエット・ビノシュ、この人は変わらないですね〜。
この2人はプライベートでも一時期パートナーで、娘がいるそう。
エマニュエル・サランジェなど。
ユーラシア皇太子のシェフ役と料理監修で、ミシュラン3つ星シェフのピエール・ガニェール
監督は『青いパパイヤの香り』のトラン・アン・ユン

ネタバレ感想

畑から野菜を収穫し、朝食のオムレツを食べるとすぐに料理に取り掛かるドダンとウージェニー。
そこからひたすら料理を作る冒頭。
丁寧で繊細かつ大胆、しかも手際と段取り良く料理を仕上げていく。
ドダンの美食家仲間の食事会に料理を提供しつつ、厨房ではウージェニーや下働きのヴィオレットやポーリーンが、
ゲストと同じものを食べる。なんて良い職場。
映画のほぼ8割が、料理を作ったり食べたりするシーン。

愛し合いながらも互いを縛らない関係だったのが、ドダンがウージェニーに料理を作りプロポーズ。
指輪はもちろんデザートの皿に。
デザートの洋梨のコンポートの後に、洋梨の形をしたウージェニーの裸体が映るシーンに( ̄∇ ̄)ニヤッ
2人が仲間へ結婚の発表をするシーンも、ルノワールの絵画「ピクニック」の様でした。

幸せの絶頂だったドダンに突然のウージェニーの死。
絶望していたドダンを救ったのも、やはり料理でした。

妻の座よりも料理人として誇りを持っていたウージェニー。
そんな彼女と彼女の料理を愛したドダン。
好きな事と好きな事への価値観や目標が同じパートナー、そして一緒に楽しめる仲間。
豊かな自然の中で、良い素材で丁寧に料理を作る贅沢。
幸せな人生は、そんなシンプルな生活の中にある事に気付かされました。

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