”キング・オブ・ロックンロール”と称され、数多くのアーティストにも影響を与えたエルヴィス・プレスリーの伝記的な映画『エルヴィス』を観ました。尺長めですがあっという間。
『ボヘミアン・ラプソディ』、『ロケットマン』など、定期的に作られているように感じるミュージシャンの伝記映画の中でも、かなり良いです。
ELVIS 2022年米 159分
ストーリー
貧しさから黒人と同じ住宅地域に住む事になったため、ゴスペルやR&Bに影響を強く受けて育ったエルヴィス。
ブラック・カルチャーを取り入れた独特でセクシーなパフォーマンスは保守からバッシングを受けるが、若者達からは熱狂的な支持を受ける。そこに目をつけたプロモーターのパーカー大佐に声を掛けられ、彼と共にスターダムを駆け上がるが…。
キャスト
エルヴィス・プレスリーに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のオースティン・バトラー、トム・パーカー大佐にトム・ハンクス、特殊メイクが怖いわ。エルヴィスの母にヘレン・トンプソン、父にリチャード・ロクスバーグ、プリシラ・プレスリーにオリヴィア・デヨング、ジェリーにルーク・プレイシー、カントリーシンガーのハンク・スノウにデヴィッド・ウェナム、こちらもメイクで全く気付かず。ジミー・ロジャーズ・スノウに『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のコディ・スミット=マクフィー、B.B.キングにケルヴィン・ハリソン・Jr、リトル・リチャードにアルトン・メイソン、スティーブ・ビンダーにデイカー・モンゴメリーなど。
監督は『華麗なるギャツビー』のバズ・ラーマン、久しぶり感。
ネタバレ感想
もうね、オープニングのワーナーのロゴからキラキラで、流石バズ・ラーマン!
エルヴィス・プレスリーの歌は好きなので楽曲は大体知っていましたが、彼の音楽やスタイルのルーツはこの映画で初めて知りました。原曲があったんですね。彼がなぜゴスペルやリズム&ブルースに親しんだのかというのも分かりました。
オースティン・バトラーが見事でした。声や所作がそっくりなのはもちろん、シャイでセクシー、素直だけれど自分のスタイルには頑固で譲らないエルヴィスが魅力的。
反対にパーカー大佐のハンクスがぶよぶよメイクで醜悪、エルヴィスに情がありつつも金を優先させてしまう。
守ると言ってエルヴィスを囲い込み、薬漬けにして生殺し状態。
パーカー大佐に恩を感じながらも反発、しかし彼の支配から抜け出せないジレンマから一層薬と酒に溺れるエルヴィス。
それでも、ショーでの観客から喝采を浴びずにはいられない。妻の愛でも立ち向かえない聴衆からの熱。
終盤はもう痛々しくて。そして42歳で訪れた死。
最後に流せるラストショーの映像、しばらくどちらか分からなかったけど、本物でした。
エンディングに流れるエルヴィス・トリビュートのカバーも良かった。
ちょっとサントラ欲しくなってきたな。
お薦めです!ぜひ♪