厳しい冬から春へ、解き放たれた心 『アンモナイトの目覚め』(ネタバレ感想)

厳しい冬から春へ、解き放たれた心 『アンモナイトの目覚め』(ネタバレ感想)

2ヶ月ほど遅れて公開の『アンモナイトの目覚め』を観ました。
女性同士の愛のお話。『燃ゆる女の肖像』と比べると抑えた情熱で、雪解けの様な映画でした。

 

AMMONITE 2020年英/オーストラリア/米 118分 PG 15+

 

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ストーリー

1840年代、イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジスで、古生物学者のメアリー・アニングは母親と2人でひっそりと暮らしていた。かつて彼女の発掘した化石が大発見として世間をにぎわせ、大英博物館に展示されたが、女性であるメアリーの名はすぐに世の中から忘れ去られた。今は土産物用のアンモナイトを発掘し細々と生計を立てている彼女は、ある時裕福な化石収集家ロデリック・マーチソンから、妻シャーロットを数週間預かって欲しいと頼まれる。もともと人付き合いが苦手なメアリーは報酬のために渋々引き受けるが、シャーロットが高熱を出して倒れてしまい、仕方なく看護することとなり…。

キャスト

メアリー・アニングにケイト・ウィンスレット、シャーロットにシアーシャ・ローナン
メアリーの母にジェマ・ジョーンズ、『いつか晴れた日に』でもウィンスレットの母親を演じていました。
フィオナ・ショウ、アレック・セカレアヌ、ジェームズ・マッカードルなど。
監督は『ゴッズ・オウン・カントリー』のフランシス・リー

ネタバレ感想

知らなかったのですが、メアリー・アニングは実在の古生物学者で、彼女がイクチオサウルスの化石を11歳の時に発掘したこと、生涯独身だったことなどは事実。
ヴィクトリア朝時代のイングランドで、労働者階級の女性が教育を受けられる階級の男性と同じ仕事に携わっただけでも異例で、彼女についての資料も多くは無い中、リー監督が独自の解釈でストーリーを練り上げた様。

11歳で父親を亡くし、一家の大黒柱として働かないといけなくなったメアリー。
貴重な化石を発掘しても男性優位の階級社会では無名に等しく、寒さ厳しいドーセット地方で早朝から働き詰めるメアリーの孤独な生活に、突如飛び込んできたシャーロット。
彼女もまた流産のショックと夫の無理解から孤独だった。
階級を超え、お互いの孤独を癒すように次第に関係を深めていく2人。

最初は反発しあっていた2人がシャーロットが倒れ、メアリーの家で看護するようになってから、次第にお互いを理解し歩み寄ります。シャーロットの情熱的な一途さがエリザベスとの恋の痛手で頑なだったメアリーの心を解きほぐし、メアリーの仕事を敬愛するシャーロット。

セリフは多くは無いけれど、燃え上がる愛情、戸惑いや嫉妬心など表情で伝わります。
長くは続かなかった蜜月、別れてからの母親の死、エリザベスとの和解、そしてシャーロットとの再会と申し出。
大英博物館の化石を挟んで見つめあった2人で終わる最後。
この後どうなるにしても、2人の愛はまだまだ続くと感じさせるラストでした。

 

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