前記事に引き続き、Netflixで見たドキュメンタリー作品3本。
オクトパスの神秘:海の賢者は語る
My Octopus Teacher 2020年南アフリカ 85分
第93回アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作品。
自分がタコのドキュメンタリーを見ることがあろうとは思いませんでした。
NHKの「ダーウィンが来た」の様に客観的ではなく、タコに恋したお話。
映像作家のクレイグ・フォスターが人生に疲れ、癒しを求めて実家のある南アフリカの海に潜る日々を送っていたら、海中で1匹のタコに出会い、観察しているうちになんというかタコとの間に絆のようなものを感じ、1年間タコを観察した記録。タコを観察する生活を送っているうちに癒され、息子とも上手く付き合えるように。
映像がとにかく綺麗で、至近距離から撮影されているのに驚かされます。
タコが”海の賢者”と呼ばれているほど賢く、サメとの攻防などもクレーバーで面白い。
寿命が1年というタコの最期まで見届ける主人公の愛を感じました。
ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明け
Crip Camp 2020年米 108分
同じく長編ドキュメンタリー賞ノミネート作品。
1970年代初頭、障がいを持つ10代の若者たちを対象にニューヨーク郊外で開催されたサマーキャンプ。当時の社会で日常的に困難や差別にさらされていた彼らは、参加者の自主性を尊重するキャンプの中で抑圧から解放され、仲間とともに自由と青春を謳歌した。その体験は彼らの人生を劇的に変え、やがて障がい者の権利を求める社会運動へと発展していった。キャンプ体験者として映画にも登場する音響編集者ジム・レブレヒトと、エミー賞受賞経験を持つニコール・ニューナムが共同監督。オバマ元アメリカ大統領夫妻が製作総指揮。
黒人や女性の権利のための闘いの映画はよく見ますが、障害者の権利の闘いについて見るのは初めてで、ちょっと目から鱗でした。
伝説となったサマーキャンプに参加するまでは、自分たちが不当に扱われていることに気付いていなかった人たちが、そこから団結し、デモやビルの占拠などに発展。
自分たちの権利のために声を上げる姿勢は我々も見習わないとと思います。
同じ様に闘っているブラックパンサーの活動家達が応援に駆けつけるシーンもあり、感動しました。
ラターシャに捧ぐ ~記憶で綴る15年の生涯~
A Love Song for Latasha 2020年米 19分
短編ドキュメンタリー賞ノミネート作品。
1991年3月16日にロサンゼルスで起きた、個人商店主による黒人少女射殺事件。翌年のロサンゼルス民衆蜂起のきっかけとなった事件の犠牲となったラターシャ・ハーリンズの15年間の人生と衝撃的な事件の顛末を、彼女の従妹シャイニー・ハーリンズと親友タイビー・オバードの証言を通して振り返る。
前記事で書いた『隔たる世界の2人』のラストで、殺された人たちの名前が流れ、彼らはほんの一部に過ぎないというテロップが流れますが、いつになったらこの様な事件がなくなるのか。
短いですが重いです。