私を振り返って! 『燃ゆる女の肖像』(ネタバレ感想)

映画の旅

前後しましたが、昨年末に3本立てした1本目の感想を。
今月11日で閉館となる大街道シネマサンシャイン で、『燃ゆる女の肖像』を観ました。
観終わってからじわじわ余韻が来るタイプの作品でした。

PORTRAIT DE LA JEUNE FILLE EN FEU/PORTRAIT OF A LADY ON FIRE 2019年仏 122分

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ストーリー

18世紀のフランス。画家のマリアンヌは、伯爵夫人から娘エロイーズ肖像画を描くという依頼を受け、ブルターニュの孤島を訪れる。肖像画をミラノへ送り、相手が気に入れば婚姻となる。姉の突然の死によって修道院から連れ戻されたエロイーズは、描かれることを拒み続けていた。伯爵夫人から、散歩相手としてエロイーズと過ごし、記憶で肖像画を描く様言われたマリアンヌは、エロイーズには何も告げぬまま、秘かに肖像画を完成させようとするが…。

キャスト

マリアンヌにノエミ・メルラン、エロイーズにアデル・エネル、召使のソフィーにルアナ・バイラミ
エロイーズの母親、誰だったかな〜と思っていましたが、ヴァレリア・ゴリノでした。『レインマン』から随分時が経ちましたね
監督はセリーヌ・シアマ

ネタバレ感想

第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞を受賞他、多くの賞レースを席巻した作品。Twitterで絶賛している感想が多くて興味を持ちました。

まだ女性が職業を持ち自立するのが難しい時代。家業である画家を継いだマリアンヌは父の名前を借りて作品を発表しなければならない。
おそらく家庭の経済的な問題で、見ず知らずの男性の元へ嫁がされるエロイーズ。
出逢った2人は急速に恋に落ちます。

伯爵夫人が留守の間の、マリアンヌとエロイーズとソフィー、貴族や召使の肩書を忘れた同等で穏やかな生活、このまま3人で暮らすことができれば良いのにと思わせられましたがそうはいかず、相手への想いを抱えたまま別れる2人。

ギリシャ神話のオルフェウスとエウリュディケーの話(冥界に妻を救いに行ったオルフェウスは、地上に上がる寸前に妻を振り返ってしまったため彼女を永遠に失う)がモチーフになっています。
マリアンヌが2度目撃した白いドレスの亡霊(?)や、ウェディングドレス姿のエロイーズが去っていくマリアンヌに、振り返ってと言うシーンなど、後で考えるとそうだったんんだな〜と。

最後にマリアンヌが語る2度再会した話も、切ないけれど幸せな時間を思い出す様で。
女たちの祭りで歌われるコーラスなど、音楽も印象的でした。

 

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コメント

  1. kero より:

    探してみたら、昨年観てたんだね! こちらでやっと上映してくれたので観に行ったけど、これも映画館でどっぷり浸るのが良い映画でした。女性監督が撮ってるからか、官能的ながらも一つ一つの場面が美しかったな~。二人ともが強くて(笑)だからこそ惹かれあったのかも。ギリシャ神話も効果的だったね。久々にアート系映画で盛り上がりました。観て良かったよ!

    • 木蓮 木蓮 より:

      keroちゃん

      最近観た直後からすぐ内容を忘れがちな自分でも、この映画はまだ残ってるわ〜。
      何気ないシーンも絵画の様で、視線が印象的な映画でした。
      確かに、どっちも強かったよね〜( ̄∀ ̄)

  2. einhorn223 より:

    まだやっていた映画館の最終日にやっと観てきました。面白かったですねえ。わけわからないけど面白い。理屈じゃないところで、映画的興奮があって、大満足でした。エロイーズはずっとマリアンヌのことを想っていたようですが、マリアンヌはどうだったんでしょうね。私は振り返ったところで、吹っ切ったんじゃないかと思ったのですが、色々な解釈が可能ですよね。映画ファンのカップルのデートムービーという感じでしょうか。

    • 木蓮 木蓮 より:

      einhornさん

      不思議だけれど惹きつけられる映画でしたね。
      私はマリアンヌの方が引きずっている気がしました。
      解釈はいろいろできそうですし、そういう映画が面白いですね。

  3. 風森湛 より:

    大晦日がラスト上映1日1回のみで
    観に行けなかったです~( ノД`)シクシク…
    切ない恋のお話は余韻が深そうですね。
    ヴァレリア・ゴリノはかなり懐かしい!
    母親役なんて時の流れを感じます(;^_^A

    • 木蓮 木蓮 より:

      風森湛さん

      ミニシアター系は上映が少ないので、時間を合わせるのが難しいですよね。
      切ないのは切ないんですけど、割と闘いだったですね〜。(相手と)
      でしょ〜、ヴァレリア・ゴリノ懐かしかったです。

  4. einhorn223 より:

    この映画は未見なのですが、振り返ると二度と会えなくなるというのは、古事記とかあちこちの物語に出てくるエピソードですよね。そういう超自然的な要素のあるお話だったとは。観に行けば、よかったかなあ。
    大街道シネマサンシャインが閉館してしまうのですか。ちょっと古めの映画館でしたがなくなってしまうのは惜しいですね。15年前、松山に出張したとき「ダビンチ・コード」をこの映画館で観ました。何か懐かしい。後、出張時、シネマルナティックで「Dearフランキー」を観たのも松山の思い出です。

    • 木蓮 木蓮 より:

      einhornさん

      情感たっぷりでした。
      好みはあるかも知れませんが、ギリシャ神話を絡めている点は高評価ですよね。

      そうそう、来られたことがあるっておっしゃってましたね。
      大街道はビルが古いので仕方ないところもあるのですが、ミニシアター系専門みたいになっていたので、ルナティックだけではカバー出来ないでしょうし、ますますミニシアター系の映画を観にくくなってしまいそうです。
      偉そうに言うほど通ってなかったのですが、なくなるのは残念です。

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