2本目は『ストックホルム・ケース』
誘拐や監禁された被害者が次第に犯人と心理的なつながりを築くという”ストックホルム症候群”という心理現象の起源となったことで知られるノルマルム広場強盗事件をモデルに描いた作品。
イーサン・ホークにはあまり興味がないんだけれど、つよしさんが出ているので観ました。
STOCKHOLM 2018年カナダ/スウェーデン 92分
ストーリー
1973年、スウェーデンの首都ストックホルム。船から降りた男は街で一番大きい銀行に押し入り、行員のビアンカら3人を人質に取った。男の要求は仲間のグンナーを刑務所から釈放させることと、金と逃走用の車の要求だった。
警察は彼らを銀行の中に閉じ込める作戦に出て、男の身元も判明。
最初は死を覚悟していたビアンカだったが、犯人と過ごすにつれ、実は根は優しいことに気づき、犯人が無事に逃げ出す事ができるために協力をするようになる。
キャスト
ラースにイーサン・ホーク、彼はこういうちょっと抜けている役が良いですよね。
グンナーにマーク・ストロング、長髪も似合う〜。歌が上手いのは『キングスマン:ゴールデン・サークル』でも立証済。
ビアンカにノオミ・ラパス、随分久しぶり。
他、クリストファー・ハイアーダール、ベア・サントス、マーク・レンドール、イアン・マシューズなど。
監督はロバート・バドロー。
ネタバレ感想
70年代だからか、今とは対応がかなり違いますね。
まずスェーデン警察の対応が緩い。
人質を取られて怪我人も出ているのに犯人を馬鹿にして挑発するし、食事を差し入れないのは今だと人権問題になりそう。
『ブリット』でスティーヴ・マックィーンが乗っていたマスタングを用意しろと言われたら、そこはちゃんと用意してくれるんですけどね。
演出なんだろうけど、警察所長がビアンカに対して「スイートハート」と呼びかけたり、インタヴューで人質は多分レイプされているとか言うのを観ていると、警察よりも犯人の方に肩入れしちゃいますね。
人質を連れての逃亡を許さないと言う命令を首相が出すのは新鮮でした。
犯人が立てこもっている銀行の2階に捜査本部を作っちゃうのも、意外でしたが結果的には成功でしたね。
人質事件にしては全編を通して緊張感がないので、ハラハラドキドキはしないですね。
犯人の方が警察より紳士的なので、人質が犯人への連帯感を持つのは納得できますが、ビアンカがラースに惹かれていく過程は、説得力に欠ける気がします。
キャストの演技と魅力に頼っている気はしますが、軽く観られて後味も悪くない作品でした。