一つになりたい 『クィア/QUEER』(ネタバレ感想)

映画の旅

ダニエル・クレイグの演技が絶賛された『クィア/QUEER』を観ました。
原作も読んでみましたが、映画の解釈が良かったですね。

 

QUEER 2024年伊/米 137分 R15+

 

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ストーリー

1950年代、メキシコシティ。退屈な日々を酒や薬でごまかしていたアメリカ人駐在員のウィリアム・リーは、若く美しくミステリアスな青年ユージーン・アラートンと出会う。一目で恋に落ちるリー。乾ききった心がユージーンを渇望し、ユージーンもそれに気まぐれに応えるが、求めれば求めるほど募るのは孤独ばかり。リーは一緒に人生を変える奇跡の体験をしようと、ユージーンを幻想的な南米への旅へと誘い出すが──。(公式HPより)

キャスト

リーに『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』のダニエル・クレイグ、ユージーンにドリュー・スターキー、ジョーに『アステロイド・シティ』のジェイソン・シュワルツマン、コッター博士に『ミセス・ハリス、パリへ行く』のレスリー・マンヴィル、他デヴィッド・ロウりーなど。
監督は『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ

ネタバレ感想

クィアという言葉は最近の言葉かと思っていましたが、昔から使われていたんですね。
原作小説では「おかま」と訳されていたので、使い方が変わって来たということでしょうか。
原作は「裸のランチ」などのウィリアム・S・バロウズの自伝的小説。
薬物中毒でアメリカに居られなくなりメキシコシティに居た時の実話が基になっているよう。

退屈を酒とドラッグで紛らわせていたリーは、ある日ユージーンに一目惚れし、彼に近づき関係を持つ。
ユージーンに夢中なリーとは違い、ユージーンは冷めていて気持ちが分からない。
ユージーンともっと深く繋がりたいと願うリーは、テレパシー能力が高まるという植物を求めて、南米へ向かう。

リーのユージーンへの想い(触れたいなどの願望)が幽体で描かれたり、後半の南米でのヤヘ体験で2人の体が溶け合い一体となったりする描写がユニーク、南米旅行の2年後のエピローグで、ホテルでのウィリアム・テル的な幻覚シーンなどもバロウズっぽいなと。

ユージーン役のドリュー・スターキーも素敵だけど、くたびれていてもやはりダニエル・クレイグはカッコいい。
恋する相手をもっと知りたい、自分のことをもっと知ってほしいというだけで、南米まで出かけて怪しい体験をするリー。
原作にはヤヘを体験する件はないのだけれど、ヤヘはテレパシーというより自分を映す鏡的なことを言う植物園の人とか、原作を膨らませた解釈で、一途な恋の物語になっていました。

 

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