徹底的復讐の結末は 『蛇の道』(ネタバレ感想)

徹底的復讐の結末は 『蛇の道』(ネタバレ感想)

黒沢清監督が1998年の同名映画をフランスに舞台を移してセルフリメイクした『蛇の道』、
柴咲コウマチュー・アマルリックの共演に惹かれて観ました。

 

Le chemin du serpent 2024年仏/日/ベルギー/ルクセンブルグ 113分

 

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ストーリー

8歳の愛娘を何者かに殺されたアルベール・バシュレは、通っていた病院で心療内科医・新島小夜子に声を掛けられる。彼女の協力を得て、事件に関係していると思しき児童福祉団体“ミナール財団”の元会計係ティボー・ラヴァルを拉致監禁、その後も、聞き出した容疑者を次々に拉致し、小夜子と2人で容赦ない拷問を繰り返し、次第に真相に迫っていくアルベールだったが…。

キャスト

心療内科医の新島小夜子に柴咲コウ、娘を殺されたアルベール・バシュレに『レ・ミゼラブル』のダミアン・ボナールラヴァルに『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』のマチュー・アマルリック、ゲランにグレゴワール・コラン、小夜子の患者吉村に『ドライブ・マイ・カー』の西島秀俊、小夜子の夫、新島宗一郎に『ゴジラ-1.0』の青木崇高など。
監督は『スパイの妻』の黒沢清

ネタバレ感想

オリジナルは未見ですが、ストーリーは分かりやすい。
娘を殺されたアルベールの復讐を手助けする小夜子ですが、
彼女もやはりという想像はすぐ付くし、アルベールに対する彼女の関わり方を見ていると、
パートナーとしてではなく、彼は道具に過ぎないんだろうなという感じがするので、
結末も予想通りではあるのですが、そこへ辿り着くまでの過程で、
”蛇の目”と喩えられる小夜子の目が怖いし、拉致したラヴェル達に対する仕打ちが冷たい。

素人がやることだからスマートでないのは分かるけれど、
拉致する時にわざわざ寝袋に入れて引き摺るのが、銃で脅して歩かせた方が楽だろうに、
と思ってちょっと笑えました。
案外あっさり捕まるのも、やったことに対して呑気過ぎ。
あと、死体が何回か映るんだけど、
マチューとかにいつまでも死体のままとか勘弁してあげて〜と!( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
本人はノリノリだったという監督談話も読みましたけど。(^_^;)

こんな調子で真相に辿り着けるのかと心配になりながら見ていましたが、
3人目の人物を捕まえてからは一気に真相へ。
それまでに捕まえた2人が他人事みたいな感じだったのと違い、実行犯の生々しさ。
露骨な映像は出ませんが、おぞましい犯罪が明らかに。

西島秀俊も事件に一役噛んでいるのかと思ったら、どうやら無関係で。
小夜子の影響力を描くための存在だったのか?
衝撃のラストシーンは、柴咲コウ曰く「新たな絶望の始まり」だそう。

 

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