時代を超えた狂騒 『犬王』(ネタバレ感想)

時代を超えた狂騒 『犬王』(ネタバレ感想)

劇場公開を見逃してしまった『犬王』をAmazonプライムビデオで見ました。
アニー賞、ゴールデングローブ賞他、世界の賞にノミネートされた評判作、なかなか凄かった!

 

INU-OH 2022年日本 97分

 

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ストーリー

室町時代の京都。猿楽の一座である比叡座に生まれた犬王は、その異形の容姿ゆえに周囲に疎まれ、顔をひょうたんの面で隠されていた。しかし悲嘆することもなく、能を見よう見まねで学び、個性的な舞を会得していく犬王。そんなある日、琵琶法師の少年、友魚と出会う。壇ノ浦の漁村に生まれた彼は、海に沈んだ神器を見つけた際に失明し、自らに降りかかった呪いの真相を突き止めるべく都に向かい、やがて琵琶法師となったのだった。そんな2人はすぐに意気投合し、互いの才能を開花させ、唯一無二のステージで乱世の人々を熱狂させるが…。

キャスト(声)

犬王にロックバンド“女王蜂”のアヴちゃん、友魚/友一/友有に森山未來、足利義満に柄本佑、犬王の父に津田健次郎、友魚の父に松重豊など。
監督は『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅政明、キャラクター原案は「ピンポン」の松本大洋、脚本は『アイアムアヒーロー』の野木亜紀子、音楽は「いだてん」の大友良英、制作は「スター・ウォーズ:ビジョンズ」のサイエンスSARU

ネタバレ感想

南北朝から室町期に活躍した実在の人物、能楽師・犬王に題材をとった古川日出男の2017年の小説「平家物語 犬王の巻」を原作としたミュージカルアニメ。

能楽が猿楽と呼ばれていた時代、比叡座に異形の子が生まれる。父に忌み嫌われ、芸の修業からは外されていたが、自ら舞や唄を身に付け、犬王と名乗る。
もうひとり、壇ノ浦に生まれた漁師の息子・友魚(ともな)。源平の合戦で海に沈んだ天叢雲剣を引き揚げ、剣の呪いで盲目となる。 京への道中、琵琶法師・谷一に弟子入りし、琵琶法師の友一(ともいち)から友有(ともあり)へ。
この二人が出会い意気投合、犬王の舞と友一の演奏が京で大人気となり、将軍の前で披露するまでになる。

成仏できない平家の魂を舞で成仏させる犬王。
魂が成仏していくごとに、最初は犬の様だった容姿が次第に人間の姿へと変わっていく犬王。
坊主の琵琶法師姿から、髪を伸ばし、女の衣装を着、化粧をしてロックを弾き語る友有。
舞と音楽と友情が有れば良かった二人は将軍によって引き裂かれ、600年後亡霊となって再会する。

時代に翻弄されながらも、自分のやりたいことを極めた二人。
ロックとパフォーマンスで語っていくのが圧巻。

 

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