信じたいのに信じられない 『プロミシング・ヤング・ウーマン』(ネタバレ感想)

信じたいのに信じられない 『プロミシング・ヤング・ウーマン』(ネタバレ感想)

第93回アカデミー賞で5部門ノミネート、脚本賞受賞の『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観ました。
感想を一言で言うと、とにかく壮絶。
映像が激しくて観るに堪えないとかではなく、主人公の気持ちと行動が壮絶で、それ以上はもう止めて〜と思っちゃいます。

 

Promising Young Woman 2020年米 113分 PG12

 

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ストーリー

夜のバーで泥酔した女性。男が邪な気持ちで近づくと、実はシラフなことを明らかにするキャシー。
女性を性のはけ口にする男に復讐する彼女は、30歳の今も実家暮らしでカフェの店員。かつては医大生で成績も良く、”プロミシング・ヤング・ウーマン”(将来を嘱望される優秀な女性)だった彼女が、なぜ友人も恋人も居なく人生の目的を失ってしまったのか…。

キャスト

キャシーにキャリー・マリガン、ライアン役のボー・バーナムは『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』の監督で、コメディアンでもあるそう。
キャシーの両親にクランシー・ブラウンジェニファー・クーリッジ、他、アリソン・ブリー、アルフレッド・モリーナ、コニー・ブリットン、ラバーン・コックスなど。
監督はこの映画が長編デヴューのエメラルド・フェネル

ネタバレ感想

冒頭、酔って所在がない女性を助けるのかと思えば、ちゃっかりお持ち帰りして事に及ぼうとする男性。
おいおいと思っていると突然女性が素面に戻り男性を問い質す。そう、女性は泥酔したふりをしていただけ。
なぜ彼女はそんな事をするのか、強請る訳でもなく、ただ酔った女性を襲おうとする男を夜な夜な狩っている。
なぜ彼女はそうなったのかが徐々に明らかになるサスペンス・スリラー。

親友がレイプされたことが原因で自殺。ショックを受け医大を中退、10年経っても痛手から抜け出せないキャシー。
人との関係も経ち、目標だった医者になることも止め、毎夜男を狩っている。
そんな何も恐れない様に見えるキャシーが一番恐れている事は恋に落ちる事、同じ医大に通っていたライアンと再会。
彼、とても好感度が高いんですよ。お願いだから彼と幸せになってと思いつつ、嫌な結末も頭によぎり始めます。
ライアンは本当に潔白なのか。
復讐は果たしたとしても、最後はライアンとハッピーエンド。
と願っても、残念ながら、あぁやはり〜となり、クライマックス。
親友ニーナを自殺に追いやった男への復讐で、返り討ちにあってしまった。
キャシーは自分が殺された時の事を想定していたけれど、殺されるの覚悟だったのか、だとしたら悲しすぎる。
血生臭い暴力的なシーンがある訳でもなく、ゾンビやゴーストが出る訳でもないけど、展開が怖い。
展開を予想するのが怖い。

ラストも可哀想というより、その生き様の壮絶さに唖然としてしまいました。
辛い。けど観て!


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