SFサスペンス・アクションの『SEOBOK/ソボク』を観ました。
なかなか大掛かりな映画でした。VFXにかなり予算掛けてるんでしょうね。
Seobok 2021年韓国 114分
ストーリー
元情報局員のギホンは、昔の上司から国家の極秘プロジェクトによって誕生した人類初のクローン、ソボクの護衛を命じられる。任務開始早々何者かの襲撃を受け、からくも生き延びた2人だったが、人類に永遠の命をもたらす可能性を秘めたソボクの存在を狙い、その後もさまざまな勢力が襲ってくる。危機的な状況の中で逃避行を繰り広げるギホンとソボクは、衝突を繰り返しながらも徐々に心を通わせていくが……。
キャスト
ギホンに『新感染 ファイナル・エクスプレス』のコン・ユ、ソボクにパク・ボゴム、アン部長にチョ・ウジン、イム・セウン博士にチャン・ヨンナム、所長にパク・ビョンウンなど。
監督はイ・ヨンジュ。
ネタバレ感想
不死を目指して作られたクローン・ソボク。画期的な研究のため、存在が知られると世界中から狙われる。
元諜報員のギホンは脳腫瘍を患い長くは生きられない身体。ソボクの護衛をすることで、臨床実験として脳腫瘍を治してもらえるという約束で、元上司のアン部長から護衛を命じられる。
そのアン部長が実はソボクを狙っていて、ギホンは実は捨て駒だった。
ストーリーは分かるんだけど、どうも話運びが雑。
ソボクが毎日注射をしないと生きられないという話を聞いているのに、襲われて逃げ出す時に注射の心配をしない。
アン部長がアメリカ側の言いなりになるのも、いくら自分の命が狙われるにしても、不自然に感じる。
ギホンとソボクが心を通わせるのは分かるけれど、話運びがちょっとベタすぎ。
ギホンのキャラがよく分からないんですよね。
同僚を見殺しにした事の罪悪感から仕事を辞め自暴自棄なのか、生への執着も有るのか無いのかよく分からない。
元諜報員にしては、ソボクの扱いなどもこなれていないし。
逆にソボクは純粋で、自分の運命を受け入れているはずでしたが、母と慕っていた博士が殺されたことでタガが外れてしまう。
ソボクは脳波を増幅させサイコキネシスの能力が使えて、実はギホンなんかより全然強いんですよね。
この設定もまあまあ唐突。なぜか『炎の少女チャーリー』が頭をよぎりました。
クライマックスではソボクのサイコキネシスが大暴れ。
サイコキネシスの描写のVFXはなかなか迫力ありましたよ。美しい描写もあったし。
ソボクの暴走をギホンが止めるという可哀想なラスト。
何より醜悪なのが、ソボクを作った研究は金持ちのジジイが自分のためにという、これまたありきたりな設定。
ちょっとロードムービーっぽいところはあったけれど、『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』にはなれませんでした〜。
残念。