地元でようやく公開された『教皇選挙』を観ました。
これは原作小説もさぞ面白かろうと思ったのですが、翻訳されてないんですよね_| ̄|○
Conclave 2024年米/英 120分
ストーリー
ローマ教皇が心臓発作で死去。突然の悲報に動揺しながらも、主席枢機卿のローレンスは教皇選挙「コンクラーベ」の準備に入る。世界各国から100名以上の選挙に参加する枢機卿が続々と駆け付け、外部から完全に遮断されたシスティーナ礼拝堂で極秘の投票が始まる。しかし有力候補たちの票は割れ、投票が繰り返されていく中、水面下での多数派工作が激しさを増す中、バチカンで爆発が起こり…。
キャスト
主席枢機卿のローレンスに『ザ・メニュー』のレイフ・ファインズ、有力候補者でリベラル派のベリーニに『スーパーノヴァ』のスタンリー・トゥッチ、保守派のトランブレに『スキャンダル』のジョン・リスゴー、伝統主義者のテデスコにセルジオ・カステリット、アフリカ系アデイエミにルシアン・ムサマティ、メキシコ出身のベニテスにカルロス・ディエス、シスター・アグネスにイザベラ・ロッセリーニ。
監督は『西部戦線異状なし』(2022)のエドワード・ベルガー。
ネタバレ感想
教皇選挙(コンクラーベ)については、『ローマ法王の休日』とか『天使と悪魔』など映画でも時々取り上げられるので、仕組みとしては大まかに知ってはいますが、隔離された枢機卿達がどの様に投票するのかなどのディテールはこの映画で初めて知りました。
監督のインタヴューを読むと、きっちり正確というわけではない様ですが、大体でもわかるのは興味深い。
まず、投票する枢機卿達の席が、体が引っ付くくらい密接した並びなのが可笑しかった( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
その投票の場を含め、システィナ礼拝堂やバチカン内部の建造物、彫刻や階段に至るまで美しく、セットであっても眼福でした。
亡くなった前教皇はチェスの名手で、8手先を読むというのがキー。
聖職者を「羊飼い」と「農場管理者」に例えた前教皇、「農場管理者」に分類されたローレンス主席枢機卿は、コンクラーベを指揮しながら、次から次へと発覚する有力候補者達のスキャンダルに頭を悩ませます。
枢機卿と言っても所詮人間、最高峰への野望があり、根回しや相手の足を引っ張ることもします。
友といえどもライバル、固辞していたローレンスでさえも心揺らぎます。
そんな中燦然と現れるイスラム教圏のアフガニスタンからやってきたベニテス枢機卿。
混迷していた選挙が、彼の感動的なスピーチで一気に決まるのが出来過ぎな気もしましたが、最後の最後に驚く事実が待っていました。
その時にローレンスは、すべて前教皇がセッティングしていたことに気づきます。
脚色賞を受賞した見事なプロットと、それにリアリティを持たせた名優陣の演技。
男世界のカトリックも変わっていくのではと感じさせるラスト。
上質な物語を堪能しました。