見つめる先にあるのは 『ニッケル・ボーイズ』(ネタバレ感想)

見つめる先にあるのは 『ニッケル・ボーイズ』(ネタバレ感想)

第97回アカデミー賞作品賞と脚色賞にノミネートされた『ニッケル・ボーイズ』を見るために、アマプラ加入しました。
しかしこの映画、自宅で見るにはハードル高い映画でしたよ。

 

NICKEL BOYS 2024年米 140分

 

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ストーリー

1960年代のフロリダ州タラハシー。真面目で成績優秀なアフリカ系アメリカ人の少年エルウッド・カーティスは、ヒッチハイクで乗せてもらった車が盗難車だったことから、共犯として警察に逮捕され有罪判決を受ける。未成年のエルウッドは更生施設「ニッケル・アカデミー」に送られ、そこでターナーという少年と出会う。ニッケル・アカデミーでは黒人の少年たちに対する信じがたい暴力や虐待、運営者たちの腐敗が横行していた。エルウッドは施設の状況を告発しようとするが、ターナーに止められ……。

キャスト

エルウッドにイーサン・ヘリス、ターナーにブランドン・ウィルソン、エルウッドの祖母に『ドリームプラン』のアーンジャニュー・エリス=テイラー、スペンサー所長にハミッシュ・リンクレイター、ハーパーに『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のフレッド・ヘッキンジャー、ヒル先生に『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』のジミー・フェイルズ、大人になったターナー(エルウッドに改名)にダビード・ディグス、他ルーク・テニー、クレイグ・テイトなど。
監督・脚本はラメル・ロス

ネタバレ感想

1960年代アメリカに実在した少年院を舞台に黒人の少年が体験した過酷な状況を描きピューリッツァー賞を受賞したコルソン・ホワイトヘッドの長編小説「ニッケル・ボーイズ」の映画化。

1960年代のアメリカ南部が舞台で、冒頭から黒人差別の悲惨な内容だと想像がつくので、140分という尺がちょっと憂鬱に。
この映画は登場人物2人の視点で描かれるので、何が起こったのかを客観的に見るのではなく、エルウッドが見ているもの・ターナーが見ているものから何があったのかを推測する感じ。
視点が何度も切り替わるし、ところどころで当時のニュース映像やシドニー・ポワチエの映画が映ったりして、その内容もエルウッドの気持ちを考える手助けにはなるのだけれど、咄嗟に混乱して集中が途切れる。
そうでなくても集中しづらい自宅鑑賞なので、内容共々なかなか見るのがしんどかったですね。

時が経ち大人のエルウッド(ターナー)の場面では、カメラが彼を後ろから映している視点に切り替わる。
これは誰の視点なのか。
当時エルウッドを助けられなかったターナーの後悔と、総てを明らかにするという決意を感じて終わります。
直接的な暴力シーンの描写はありませんが、この映画が実話というのに打ちのめされます。

 

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