生きたいように生きるとは 『国境ナイトクルージング』(ネタバレ感想)

生きたいように生きるとは 『国境ナイトクルージング』(ネタバレ感想)

予告も見ていないので何処の国の映画かも知らず、前評判だけで鑑賞した『国境ナイトクルージング』。
青春ものを観るのはなんだか久しぶりだけれど、良かったです。

 

燃冬 The Breaking Ice 2023年中国/シンガポール 100分 PG12

 

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ストーリー

北朝鮮との国境沿いの街、延吉。友人の結婚式に出席するため、上海からやって来た青年、ハオフォン。帰りの飛行機までの時間つぶしに観光ツアーに参加。ツアーガイドのナナは、ツアー中にスマホを無くしたハオフォンに同情し夕食に誘う。ツアーで立ち寄った食事処の料理人シャオと3人で夜の延吉に繰り出し、そのままナナの家で一夜を明かす。翌朝の上海へのフライトを逃したハオフォンはシャオとナナと共に長白山へ車で向かう。

キャスト

ツアーガイドのナナに『少年の君』のチョウ・ドンユイ、上海から来たハオフォンに『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』のリウ・ハオラン、シャオに『流転の地球』のチュー・チューシャオ
監督・脚本は『イロイロ ぬくもりの記憶』のアンソニー・チェン、シンガポールと日本を拠点に活動するアーティストのキン・レオンが音楽を担当。

ネタバレ感想

中国とシンガポール合作映画で、映画内の国境とは中国と北朝鮮の間。
北朝鮮との国境沿いの街、延吉は中国でありながら人口の半分以上が朝鮮族で、町には韓国語があふれ、朝鮮文化が入り混じる町は人気の観光地らしい。

友人の結婚式参加のために上海からやってきたハオフェンは、冒頭から深刻な悩みを抱えている様子で危うい感じがする。彼が参加したツアーのガイドのナナは、その危うさを察知したのか何かと声を掛ける。ツアーの立ち寄り場所の食堂の料理人のシャオはナナに気がある様だけれど、相手にされていない。

原題は燃冬(The Breaking Ice)、最初はぎこちなかった3人が一緒に過ごすうちに、氷が砕けるように自然と心を開いていく。それぞれ過去や現実に悩みや問題を抱えているけれど、それを口には出さないまでも察している。
伝説のある国境の長白山へのクルージング、そこで出会った熊が悩みを持ち去ってくれたのか、それぞれ新たな一歩を踏み出す。

中国内にある朝鮮の町というのが不思議で、国境沿いで田舎町かと思えば若者が集うバーや今時のおしゃれスポットもある。ドライブ中に見える山々の壮大さ、雪深い長白山の美しさと景色も楽しめます。
春が青かった頃をもはや思い出せない年頃ですが、たまには青春ものも良いですね。

 

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