松山無声映画上映会(第7回)

松山無声映画上映会(第7回)

松山市唯一のミニシアター、シネマルナティック開館30周年記念の、
ライブ演奏付無声映画上映会に行ってきました。

 

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ライブ演奏付無声映画上映会は毎年行われていて、今年で7回目。
これまでも興味はあったのですが、時間が合わなくて行けていなかったのが、
30周年記念で、10月9日の前夜祭から14日まで6日間もあったので観ることができました。
15本の無声映画を13人の演奏家がそれぞれの映画に合わせて何組かで演奏を付けて上映。
日替わりで地元の名店がフードやドリンクを販売するのも楽しみのひとつ。

無声映画はサイレント映画とも呼ばれ、音声・音響・俳優のセリフが声で入っていない映画で、
1920年代後半にトーキー(発声映画)が登場するまでは一般的でした。
チャーリー・チャップリンバスター・キートンらの映画が有名ですよね。
自分は友人の家で、友人のお父さんが8ミリフィルムで見せてくれたのが初めてでした。

さて、松山無声映画上映会では最終日に参加。
12時半開場。入場して席を確保したら、昼食を取っていなかったのですぐに販売ブースへ並び、
東温市のイタリアンレストラン、ロカンダデルクオーレさんのパニーニサンドと赤ワインを購入。
1本目の上映が始まる前に食べて備えました。

香も高きケンタッキー

Kentucky Pride 1925年米 71分 

ジョン・フォード監督作
ケンタッキー州ウッドローンで飼育場を経営しているボーモンは、新しく生まれた仔馬に娘ヴァージニアの未来という意味のヴァージニアス・フューチャーと名付ける。賭け事で家も馬も手放す羽目になったボーモンや調馬師だったマイク・ドノヴァン一家、ヴァージニア・フューチャー号と彼女の子馬コンフェデラシー号の物語が馬の視点で描かれます。

演奏は坂田明氏(アルトサックス・クラリネット)、勝井裕二氏(ヴァイオリン)

 

戦争と平和(私は告発する)

J’accuse 1919年仏 165分

アベル・ガンス監督・脚本

平和主義の詩人ジャン・ディアスも第一次世界大戦中出征を余儀なくされた。彼は出征軍人フランソワの妻エディトとかつて恋仲であった。戦線でジャンがフランソワを救ったことから友情が芽生え、ジャンの母とエディトの父も親しくなった。一方エディトはドイツ兵に連れ去られ行方不明となり…。

演奏は 第1部:大野由美子氏(シンセサイザー)、山本精一氏(ギター)
第2部:中尾憲太郎氏(ベース)、武田理沙氏(エレクトロニクス)
第3部:坂田明氏、勝井裕二氏、中村達也氏(ドラムス)

なかなか圧巻でしたね。
最初はエディトをめぐっての険悪だった2人に情が芽生え、互いを気遣い合う人間ドラマだったのが、
戦争の悲惨さ、連れ去られてレイプされ敵兵の子供を産んだエディトへの差別など、
最後は気がふれたジャンが煽動する戦死者達が訴える「私は告発する!」。
見事な反戦映画でした。
骸骨が踊る映像が重なるのも面白い。
大勢の兵士はエキストラなんだろうな、『バビロン』を少し思い出しました。
場面の空気感や登場人物の心情を生演奏の音楽が表現してくれるので、
深く沁みました。

貴重な体験でした。
他のプログラムも見たかった。
また来年に期待ですね。

 

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