もがく父親 『スティルウォーター』(ネタバレ感想)

もがく父親 『スティルウォーター』(ネタバレ感想)

スティルウォーター』を上映最終日に駆け込みでシネマ・ルナティックで観ました。
娘の冤罪を晴らそうと異国の地でもがく父親を描くサスペンススリラー。

Stillwater 2021年米 139分

 

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ストーリー

アメリカのオクラホマ州スティルウォーターで肉体労働をしているビル。彼の娘アリソンは留学先のフランス、マルセイユでルームメイトを殺害した容疑で有罪となり、すでに5年も収監されていた。面会に訪れたビルは、無実を訴える娘のために、自ら真犯人を捜すことを決意する。言葉も分からない異国の地での捜索に途方に暮れていると、ホテルで偶然隣室となったフランス人のヴィルジニーと娘のマヤに協力を頼むビルだったが…。

キャスト

ビル・ベイカーに『最後の決闘裁判』のマット・デイモン、娘のアリソンに『ゾンビランド』のアビゲイル・ブレスリン、ヴィルジニーに『ハウス・オブ・グッチ』のカミーユ・コッタン、娘のマヤにリル・シュヴォなど。
監督は『スポットライト 世紀のスクープ』のトム・マッカーシー

ネタバレ感想

ちょっと前に『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』を観たので、また水の話かと思えばスティルウォーターは地名でしたね。
2007年にイタリア留学中の米女学生がルームメイト殺害容疑で逮捕された実話にインスパイアされて作られた作品。

竜巻の被災地で後始末の労働をしながら被災者を見つめるビルの姿から始まります。
彼のバックグランドについての説明は全くないのですが、観ているうちに少しづつ現状がわかってきます。
裕福ではなさそうな彼がフランスのマルセイユへ。しかも定期的に訪れている様子。
娘のアリソンが、恋人だったルームメイトを殺した罪で5年も投獄されていることが徐々にわかります。

自分でも良い父親だと思っていないビルは、何とか娘の無実を証明したいと足掻きますが、焦るばかりで一向に操作は進まず。頼れる人も居ない外国の地で、たまたま知り合ったフランス人のヴィルジニーとマヤ親子と次第に仲良くなり、実の娘とは築けなかった関係が出来ます。彼女たちと共に生きていこうと決めた矢先、真犯人と疑う男が目の前に。
今の幸せと娘の無罪との間で気持ちが揺れたものの、娘のために犯人を捕まえるビル。
その結果アリソンは釈放され、ヴィルジニーとマヤとは別れアメリカへ戻ったビルとアリソン。

父親として娘を取り戻したいビル、ビルを愛しながらもマヤを守りたいヴィルジニー、そしてアリソンが抱える秘密。
サスペンスの展開もありつつ、それぞれの心情、気持ちの機微を丁寧に描いて引き込まれました。

故郷がまったく知らない街に感じると言うラストのビル。
アリソンとの関係は修復できて良かったけれど、何とか二人の元へ戻してあげたい気持ちになりました。

 

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