不条理スリラーはいかが 『ビバリウム』(ネタバレ感想)

不条理スリラーはいかが 『ビバリウム』(ネタバレ感想)

スティーブン・キングが絶賛したという『ビバリウム』、シネマルナティックで観ました。
結構薄気味悪くて怖かったですね。

 

VIVARIUM 2019年ベルギー/デンマーク/アイルランド 98分 R 15+

 

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ストーリー

トムとジェマのカップルは、ふと足を踏み入れた不動産屋に“ヨンダー”という郊外の住宅地を紹介される。見るだけでもと言われ、案内されるままついていくと、同じ建物だけが整然と並ぶ薄気味悪い場所。2人は不動産屋に案内されるまま“9番”の家を見学していると、いつの間にか不動産屋は姿を消してしまい、いざ帰ろうとしたところ、どんなに車を走らせても出口に辿り着けず、気づくと必ず“9番”の前に戻ってきてしまう。途方に暮れ、仕方なく“9番”に住み始めた2人の前に、ある日段ボールに入った赤ん坊が届き、箱には育てると解放されるというメッセージが。

キャスト

トムにジェシー・アイゼンバーグ、ジェマにイモージェン・プーツ、第52回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。若い頃のケイト・ウィンスレットに似てるな〜と思いながら観ていました。
不動産屋のマーティンに「SHERLOCK」のアンダーソン、ジョナサン・アリス
監督はロルカン・フィネガン

ネタバレ感想

尺が短めだからかサクサク話は進みます。
冒頭で、カッコウの托卵のシーン(他の鳥に子供を育てさせる)が映ります。
巣から落とされたヒナを埋めてやるトムとジェマ。
2人が家を探すために不動産屋へ行くと、ひたすら同じ家が立ち並ぶ郊外の住宅地へ案内され、不動産屋は突然姿を消します。帰ろうとしても出られない迷路の様な住宅地。行けども行けども元の場所に戻ってしまう。
家を燃やして助けを呼ぼうとしますが、全焼したはずの家が翌日にはすっかり元どおり。
ここまででも十分に怖いですが、更に、家の前に突然現れた段ボール箱に赤ちゃんが入っていて、箱には「育てると解放される」という文字が。まるで托卵。
すごい勢いで成長する子供は、常に2人を観察していて、真似をします。それがどうやら目的らしい。
生活に必要な物は段ボール箱で届くけれど、本や音楽など文化的なものも仕事もなくやる事がない2人。
トムはひたすら穴を掘り続け、する事のないジェマは真相を突き止めようとしますが〜。

凄く怖いというのでもないけれど、最初から最後まで薄気味悪い。
病んでいくトムとジェマが痛々しい。
起死回生のどんでん返しもなく、最後まで不条理に終わりますが、誰かを責めたいと思わないのは、これも自然界の摂理だから?


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