血と才能 『国宝』(ネタバレ感想)

血と才能 『国宝』(ネタバレ感想)

珍しく邦画が続きます。
今期のNHK大河ドラマで横浜流星を見ているからか、興味が湧いて『国宝』を観ました。

 

国宝 2025年日本 175分 PG12

 

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ストーリー

任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、たまたまその現場に居合わせた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎が、喜久雄の天性の才能を見抜き、引き取って半二郎の息子・俊介と共に歌舞伎の稽古をさせる。喜久雄と俊介は兄弟のように育てられ、親友としてライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていくが、ある日事故で入院した半二郎が、自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、共に夢を追いかけた2人の運命は大きく変わっていく。

キャスト

喜久雄に吉沢亮(少年時代は黒川想矢)、俊介に横浜流星(少年時代は越山敬達)、歌舞伎役者・花井半二郎を渡辺謙、半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、喜久雄の恋人・春江に高畑充希、人間国宝の小野川万菊に田中泯、興行主の梅木に嶋田久作、竹野に三浦貴大、他見上愛、森七菜、永瀬正敏、宮沢エマ、中村鴈治郎など。
監督は『悪人』『怒り』の李相日

ネタバレ感想

「悪人」「怒り」などの吉田修一の同名小説の映画化。
原作の歌舞伎の部分にフォーカスした脚本だそう。

フィクションではあるけれど、歌舞伎などの芸事は子供の頃から生活そのものなので、実際にも世襲(例外があるのかもしれないけれど)だし、血筋と才能のどちらが欠けても舞台に立てないのは想像できる。
その厳しい世界で、切磋琢磨しながら兄弟の様に育った親友同士が歌舞伎の女形として、喜久雄も俊介もどちらも絶望・挫折を感じ苦しみます。歌舞伎界のサラブレットながら芸を認められなかった俊介、才能は認められたものの歌舞伎界の出ではない為阻まれる喜久雄。
紆余曲折を経て「国宝」と言われる芸の頂上への道のり。
その壮絶な人生に圧倒される3時間。

歌舞伎を見たことがない自分でも、役を演じるために相当な鍛錬を積んだであろうことは窺える。
歌舞伎に詳しい人なら尚更凄さが分かるのでしょうけど、吉沢亮、横浜流星、渡辺謙も踊りだけじゃなく声も全く違ってて天晴。特に田中泯は素顔が出るまで本物の歌舞伎役者かと思ってました。

物語の世界に入り込んで観たものの、実はもうひとつ個人的には刺さらなくて ̄▼ ̄;アハッ・・・・
李相日監督作を観るのは初めてですが、やたら顔のアップシーンが多い。
アップで撮りたいのも分かる美しさですが。
芸に対する心情はわかるけれど、女性たちへの気持ちとかは一切語られないんですよね。
その辺が物足りなかったかな。

 

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