シネマルナティックが上映してくれて、やっと観られました『Flow』。
映像も感性も瑞々しい。
Straume 2024年ラトビア/フランス/ベルギー 85分
概要
監督・製作・編集・音楽を1人で手がけた長編デビュー作『Away』で世界的に注目されたラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督の長編第2作目。
オープンソースのソフトウェアを使い5年の年月をかけて多くのスタッフとともに完成させたインディペンデント作品。
世界の映画賞を席巻し、第97回アカデミー賞では長編アニメ映画賞をインディペンデント作品としては初めて受賞。
ストーリー
世界が大洪水に見舞われ家々が消えていくなか、1匹の猫は家を離れることを決意する。流れてきたボートに乗り込んだ猫は、一緒に乗りあわせた動物たちとともに、想像や経験をしたことがない出来事や危機に襲われる。互いに助け合いながら流され漂ううちに、動物たちの間には少しずつ友情が芽生えはじめ、たくましくなっていく。
ネタバレ感想
森で犬達と追いかけっこをした後住処に戻ってきた1匹の猫。よっぽどの猫好きが暮らしているのか、庭のあちこちに猫の彫刻やオブジェがある。人間が暮らしていた形跡はあるものの、人間は一切出てこない。突然の洪水、水面がどんどん上昇し、家も沈み、たまたま流れてきたボートに乗り込んだ猫は、カピバラやワオキツネザル、ヘビクイワシや犬と共に流されていく。
擬人化されているわけでもなくセリフもない、ありのままの猫と動物たちが洪水の中一隻のボートに乗り合わせる。
犬は犬らしく、カピバラはカピバラらしく(監督は伊豆シャボテン動物公園でカピバラのリサーチをしたらしい)。
何度もボートから落ちる猫は、クジラに助けられたりヘビクイワシに攫われたりしながらも最後は自らボートによじ登れるようになる。猫は水嫌いと思っていたけれど、この映画の猫は泳ぎに目覚めたっぽい。
セリフは一切なくても心情は伝わってくるし、そのまんまの仕草の動物たちが身近に感じられるし、特に猫好きは堪らないだろうな〜。犬は犬で、ちょっとおバカなところがまた愛らしい。
唐突に始まる洪水に、水が引くというより地面が隆起してきたように感じたラスト。
助けてくれた鯨が打ち上げられているのは悲しかったけど、エンドクレジットで泳いでいる姿が映っていたから、きっと大丈夫なんだと思いたい。
この監督の前作もちょっと見たくなりました。