コミカルとシリアスが良い塩梅 『ランサム 非公式作戦』(ネタバレ感想)

コミカルとシリアスが良い塩梅 『ランサム 非公式作戦』(ネタバレ感想)

80年代の内戦下のレバノンで、実際に起きた韓国人外交官誘拐事件を基にした『ランサム 非公式作戦』を観ました。
神と共に』で共演していたハ・ジョンウチュ・ジフンのバディ・ムービーと聞き観たくなって。

RONSOMED 2023年韓国 132分

 

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ストーリー

内戦下のレバノンのベイルートで韓国人外交官が行方不明になった。1年半後外交官ミンジュンは、消えた外交官からの電話を受ける。身代金を手にベイルートへと向かったミンジュンは、空港に着いた途端に襲われ、指示されたタクシーではなく、韓国人パンスのタクシーに逃げ込む。案内を見失ったミンジュンは、見返りをちらつかせながらパンスに協力を求め、一緒に指定された場所へ向かうが……。

キャスト

外交官イ・ミンジュンに『ボストン1947』のハ・ジョンウ、タクシー運転手キム・パンスに『ジェントルマン』のチュ・ジフン、オ・ジェソク書記官にイム・ヒョングク、元CIAのリチャード・カーターにバーン・ゴーマンなど。
監督は『最後まで行く』のキム・ソンフン。

ネタバレ感想

外交官のミンジュンはロンドンへの赴任を後輩に奪われ腐っているところに暗号電話を受けます。
1年半前にベイルートで誘拐されたジェソク書記官からで、ミンジュンは電話を受けた責任感とアメリカ赴任を期待して、自分が身代金を持って助けに行くと名乗りをあげます。

実話ベースなので、身代金の受け渡しがどれだけ大変かというのがリアルに描かれていて興味深い。
まず韓国内で、身代金を払うのか、受け渡しは誰が行くのかという問題。
今回犯人が身代金を要求して来ていないので、犯人へのツテがある人物を見つける必要があり、
元CIAのカーターから紹介されたジュネーブ在住の美術商を介してレバノンの犯行グループと交渉。
身代金も直に現金を持ち込むと危ないので、現地で交換する算段も教わります。

現地へ到着してすぐ警官に捕まりそうになり、慌てて乗ったタクシーの運転手が韓国人、というのはフィクションでしょうが、信用できないパンスを信じないといけないミンジュンと、金のことしか考えていないパンスの掛け合いが面白い。
ギャングや警官に狙われ必死で逃げ回っているうちに、次第に度胸がついていくミンジュンと協力する様になるパンス。
金を出し渋る韓国政府のせいで孤立無援となり、最後までどうなるのかハラハラしましたが、無事に戻れて良かった。
お金を払いさえすればちゃんと返してくれるのが、当たり前なのになんだか新鮮でしたわ。
外交官にちゃんと外交力があり、国にも外交力があったということですね。

 

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