韓国民主主義の存亡を揺るがした「12・12」の粛軍クーデターを描いた『ソウルの春』を観ました。
予習で見た『KCIA 南山の部長たち』に続く事件。
このクーデターの後に『タクシー運転手〜約束は海を超えて〜』で描かれた光州事件が起こります。
自分の中で少しは歴史が繋がってきたかな。
서울의 봄(12.12: The Day)2023年韓国 142分
ストーリー
1979年10月26日、独裁者とも言われた大韓民国大統領が、自らの側近に暗殺された。国中に衝撃が走るとともに、民主化を期待する国民の声は日に日に高まってゆく。しかし、暗殺事件の合同捜査本部長に就任したチョン・ドゥグァン保安司令官は、陸軍内の秘密組織“ハナ会”の将校たちを率い、新たな独裁者として君臨すべく、同年12月12日にクーデターを決行する。一方、高潔な軍人として知られる首都警備司令官イ・テシンは、部下の中にハナ会のメンバーが潜む圧倒的不利な状況の中、自らの軍人としての信念に基づき“反逆者”チョン・ドゥグァンの暴走を食い止めるべく立ち上がる。
キャスト
保安司令官チョン・ドゥグァン(第11・12大統領:全斗煥)に『キル・ボクスン』のファン・ジョンミン、首都警備司令官のイ・テシン(張 泰玩)にチョン・ウソン、陸軍参謀総長のチョン・サンホ(鄭 昇和)に『KCIA 南山の部長たち』ではパク大統領役だったイ・ソンミン、第9師団長ノ・テゴン(第13代大統領:盧 泰愚)にパク・ヘジュン、特殊戦司令官のコン・スヒョク(鄭 柄宙)に『モガディシュ 脱出までの14日間』のチョン・マンシク、専属副官のオ・ジノ(金五郎)にチョン・ヘイン、憲兵監のキム・ジュニョプ(金晋基)にキム・ソンギュン、参謀総長付警護員のクォン・ヒョンジンに『神と共に』のイ・ジュニョクなど。
監督はキム・ソンス。
ネタバレ感想
史実(fact)に虚構(fiction)を加味したものを「ファクション(faction)」と呼ぶらしい。
最近このファクション、多い気がしますね。
題名の「ソウルの春」とは、1979年に朴正煕大統領が暗殺され、18年に及ぶ軍事独裁に代わり民主化の訪れを期待する韓国社会の空気を「プラハの春」にちなみ名付けたもの。
この映画で描かれたのは、その春の訪れを止めた出来事。
恥ずかしながら歴史に無知だった自分は、結末はどうなるのかドキドキしながら最後まで観ました。
結末が分かっていても、命懸けのギリギリの攻防に目が離せず、革命を起こす側、阻止する側の心情に引き込まれるはず。
歴史の裏側を想像するとともに、サスペンスとしても見事でした。