劇場公開時に見逃していた『KCIA 南山の部長たち』を見ました。
1979年に韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が中央情報部部長キム・ジェギュに暗殺された実話を基した実録サスペンス。金忠植(キム・チュンシク)によるノンフィクション「実録KCIA『南山と呼ばれた男たち』」を原作に、人物名を別名に置き換えフィクションとしています。
남산의 부장들/The Man Standing Next 2020年韓国 114分 PG12
ストーリー
1979年10月26日、大統領直属の諜報機関である中央情報部(通称KCIA)部長キム・ギュピョンがパク大統領を射殺。
事件発生の40日前、アメリカへ亡命したKCIA元部長パク・ヨンガクがアメリカの下院議会聴聞会で、韓国大統領の腐敗を告発。激怒したパク大統領に事態の収拾を命じられたキム部長はアメリカへ渡り、かつての友人ヨンガクから彼が出版しようとしている回顧録を手に入れるが、ヨンガクからパク大統領の秘密資金を管理する「イアーゴ」という人物の存在を知らされる。
キャスト
KCIAのキム部長に『コンクリート・ユートピア』のイ・ビョンホン、パク大統領に『ソウルの春』のイ・ソンミン、パク・ヨンガクに『哭声 コクソン』のクァク・ドウォン、警護室長のクァクにイ・ヒジュン、デボラに『モガディシュ 脱出までの14日間』のキム・ソジン、国軍保安司令官のチョンにソ・ヒョヌなど。
監督は『インサイダーズ/内部者たち』のウ・ミンホ。
ネタバレ感想
第93回アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表作。
最近韓国映画は歴史物(史実もの)の高い評価をよく聞きます。
同じく第97回アカデミー賞国際長編映画賞韓国代表作となった『ソウルの春』を観る前に、見ておいた方が良いということで見ました。自国の歴史もうろ覚えなのに、隣国の歴史を知っている訳もなく、この1作を見ただけでピンとくるはずもないのですが、忘れないうちに頭の中で繋がれば良いなぁ。
今作で殺害される朴大統領のモデルは第18代大統領の朴槿恵の父親。
基となった史実があるにしても、映画はあくまでもフィクションとなっているので、登場人物の気持ちが実在した人物と同じかは分かりませんが、キム部長がパク大統領を殺害した理由は、同じ理想を掲げて一緒に戦った仲間に対する失望の様に感じました。それは親友だった元部長のパクに対しても同じだったのではと思いましたが、彼を殺してしまったがために後戻り出来なくなったのでは。
そこが見ていて一番辛かったですね。
結果論ですが、誰を信じれば良かったのか。
殺害後に向かった先が南山だったら歴史が変わったのか、どちらにしても同じ結末だったのかが少し気になりました。
そして「イアーゴ」が暗躍する時代へ続くのでしょうか。