大人気グレン・パウエルが七変化の『ヒットマン』。
七変化の殺し屋といえば、ブルース・ウィリスの『ジャッカル』を思い出したのだけど、
こちらは本物の殺し屋ではなく、殺し屋になりすます大学教授。
実在の人物を基に脚色してます。
Hit Man 2023年米 115分 PG12
ストーリー
アメリカ、ニューオーリンズ。大学で心理学と哲学を教える地味で印象の薄いゲイリー・ジョンソン。副業で盗聴技術者として警察の捜査に協力していたが、ある日成り行きから殺し屋役としておとり捜査に協力することに。おとり捜査は見事成功。引き続き殺し屋役を続けることとなり、様々な人物に変身することがゲイリーの性格にも影響を与え始めた。そんな時、夫の殺害を依頼してきた女性マディソンに心惹かれ、彼女に殺しの依頼を止めさせてしまう。マディソンとはそれきりのはずだったが、彼女からの誘いについ応えてしまう…。
キャスト
ゲイリーに『トップガン マーヴェリック』、『ツイスターズ』のグレン・パウエル、マディソンに『モービウス』のアドリア・アルホナ、警察のジャスパーにオースティン・アメリオ、クローデットにレタ、フィルにサンジェイ・ラオなど。
監督は『恋人までの距離(ディスタンス)』、『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター。
ネタバレ感想
1990年頃から偽の殺し屋として警察に協力し、70人以上を逮捕に導いたゲイリー・ジョンソン、2匹の猫を飼い、地元のコミュニティ・カレッジで心理学を教えていたという実在の人物がモデル。
冒頭で”やや”本当の話という説明のとおり、実話を交えながらのフィクション。そしてコメディ。
そうでないとオチがヤバイ。
マディソンと出会うまでは、ゲイリーは真面目におとり捜査に向き合い、捜査対象の好みをリサーチし、彼らが仕事を頼みやすいタイプに変装。グレン・パウエルの七変化が楽しめます。
マディソンに夫殺しを依頼され、つい出来心なのだろうと、夫のことは忘れて、依頼料で新たな生活を始める様説得。
ここまでは良かったのだけれど、殺し屋を演じたままマディソンと付き合い始め、いつバレるのかと観ている方がハラハラ。夫と離婚したという話が嘘だったのが分かった頃から、悪い予感しかしなくなる。
それでも最後は笑えるオチになるのかと期待していたら、夫と警官殺しと隠蔽という結末で。
フィクションでコメディと分かっていても、個人的には笑えないオチでした。
グレン・パウエルは堪能できるので、彼目当ての方は満足できると思います。
本作の脚本とプロデュースも手がけている彼、自分の売り方を分かってますよね。