人生のほろ苦さ 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(ネタバレ感想)

人生のほろ苦さ 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(ネタバレ感想)

今年度のアカデミー賞で作品賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞、編集賞の5部門ノミネート、ダバイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を受賞した『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』をシネマ・ルナティックで観ました。
クレジットを見て初めて、アレクサンダー・ペイン監督作だったと気づく始末(>_<)

 

The Holdovers 2023年米 133分 PG12

 

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ストーリー

1970年代のマサチューセッツ州にあるバートン校は全寮制の寄宿学校。生真面目で皮肉屋で生徒や同僚からも嫌われている教師ポールは、クリスマス休暇に家に帰れない生徒たちの子守り役を押し付けられる。そんなポールと、母親が再婚し新婚旅行へ出かけるために休暇の間も寄宿舎に居残ることになったアンガス、息子をベトナム戦争で亡くした学校食堂の料理長メアリーが、2週間のクリスマス休暇を一緒に過ごすこととなり…。

キャスト

古代史の教師ポール・ハナムに『サイドウェイ』のポール・ジアマッティ、料理長のメアリーに『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』、『ラスティン ワシントンの「あの日」を作った男』のダバイン・ジョイ・ランドルフ、生徒のアンガス・タリーに新人のドミニク・セッサなど。
脚本はデビッド・ヘミングソン、監督は『ファミリー・ツリー』、『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』のアレクサンダー・ペイン

ネタバレ感想

1970年代、大方の人が家族と過ごすクリスマス時期に、学校に置いてきぼりにされた3人。
同僚教師や生徒から嫌われている独り者の教師、クラスでも孤立している学生、戦争で一人息子を亡くした料理長。
2週間のクリスマス休暇を学校で一緒に過ごす間に、不思議な連帯感が生まれてきます。

嫌味で情け容赦ないと思われていたハナムは、理想と信念とある秘密を持っていて、
甘やかされて我儘と思われていたアンガスは、家庭環境に問題があり、
平気なふりをしていても実は息子の死から立ち直っていないメアリー。
少しづつ相手を理解し、思いやるようになります。

斜視なハナム、演じたポール・ジアマッティって斜視だったっけと思ったらコンタクトでの演技だったそう。
アンガス役のドミニク・セッサは本作がデヴュー作とは思えない。

バートン校が命と言っていたハナムは、アンガスを庇いバートン校を去る事に。
アレクサンダー・ペイン監督作は、人生のほろ苦さと時々照らす光を描いています。
人生は辛く厳しいけれど、楽しくて愉快なこともある、支えてくれる人もいる。
そんな映画でした。

 

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