ゾンビから人に戻る時 『生きる LIVING』(ネタバレ感想)

ゾンビから人に戻る時 『生きる LIVING』(ネタバレ感想)

黒澤明監督の1952年の映画『生きる』を、カズオ・イシグロ脚本での英国版リメイク『生きる LIVING』を観ました。
実はオリジナルは未見。

 

Living 2022年英/日 103分

 

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ストーリー

1953年、第2次世界大戦後のロンドン。仕事一筋に生きてきた公務員のウィリアムズは、ガンに冒されていることがわかり、医師から余命半年と宣告される。妻を亡くしてから1人で育てた息子にも打ち明けられないウィリアムズは、仕事を放棄し、海辺のリゾート地へ向かい酒を飲んで馬鹿騒ぎするも満たされない。ロンドンへ戻った彼はかつての部下マーガレットと再会し、生命力に溢れる彼女と過ごす中、自分が最後にやるべきことを見つける。

キャスト

オリジナルでは志村喬が演じた主人公ウィリアムズに『ニューヨーク 親切なロシア料理店』のビル・ナイ、マーガレット・ハリスに『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』のエイミー・ルー・ウッド、部下で新人のウェイクリングにアレックス・シャープ、海辺のリゾート地で出会ったサザーランドに『僕が星になるまえに』のトム・バークなど。
監督はオリヴァー・ハーマナス、脚本は「日の名残り」「わたしを離さないで」のカズオ・イシグロ

ネタバレ感想

黒澤明監督の名作のリメイクというよりも、ビル・ナイ主演に惹かれて初日鑑賞。(まあ、オリジナル未見なくらいだから( ̄∀ ̄*)イヒッ)
2003年の『ラブ・アクチュアリー』以降ずっとファンだけれど、どちらかと言うと名バイプレイヤー。
マリーゴールド・ホテルで会いましょう』や『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』などのじんわり良い役から『アンダーワールド』シリーズの吸血鬼の長老や、『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』のデイビィ・ジョーンズなど振り幅が大きいところも魅力。
脚本はビル・ナイ主演での当て書きと言うからには観なければ!

まさに50年代の映画の様な正方形に近いスタンダードサイズの画質荒めな映像で始まります。
オリジナルと同じ時代設定で、オリジナル未見なので比べられないけれど、国は違えど違和感はほぼないらしい。
なんとなく話の流れは予想つきつつも、葬儀が中盤で、あとは回想で語られるのは意外でした。
葬儀から帰る列車の中で熱く理想を謳う部下達が、あっという間に元の無気力な状態に戻るのは予想通りでしたが、あの公園を思い出して、いつかまた奮起するかもしれないと思える終わり方が良かった。
心に火が灯ったような、穏やかな気分になりました。
オリジナルも見ないとです!

 

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