他人事目線で観始めたのが、いつしかどっぷりひたってました 『ベルファスト』(ネタバレ感想)

他人事目線で観始めたのが、いつしかどっぷりひたってました 『ベルファスト』(ネタバレ感想)

ケネス・ブラナー監督が、自身の幼少期の体験を投影して描いた自伝的作品『ベルファスト』をやっと観ました。
北アイルランドの都市ベルファスト、日本から遠い国の話なのに、観ていてとても郷愁を感じました。
自分、生まれてからほぼずっと実家住まいなんですけどね。( ̄∀ ̄*)イヒッ

 

Belfast 2021年英 98分

 

Advertisement

ストーリー

1969年の北アイルランドのベルファスト、映画が大好きな9歳の少年バディは、サッカー選手になることとクラスメートのキャサリンと結婚するという夢を持っていた。父はロンドンへ出稼ぎに行っていたが、近所に住む祖父母や家族と友達に囲まれ、笑顔と愛に包まれた生活を送っていた。しかし8月15日に、プロテスタントの武装集団がカトリック住民への攻撃を始め、穏やかだったバディの世界は一変。住民すべてが顔なじみで、ひとつの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断された。暴力と隣り合わせの日々、バディと家族たちも故郷を離れるか否かの決断を迫られる。

キャスト

バディにジュード・ヒル、母親に『フォードvsフェラーリ』のカトリーナ・バルフ、父親に『フィフティ・シェイズ』シリーズのジェイミー・ドーナン、兄ウィルにルイス・マカスキー、祖母にジュディ・デンチ、祖父にキアラン・ハインズ、超ベテラン2人揃ってアカデミー賞助演賞にノミネート。他コリン・モーガン、ララ・マクドネルなど。
監督は『ナイル殺人事件』などのケネス・ブラナー
今回クレジットで初めて気づいた、ヘアメイクデザインの吉原若菜さんはよくブラナー監督と組んで仕事をされている様。

ネタバレ感想

モノクロだと思っていたので、カラーで始まったのに少々驚きましたが、現在のベルファストの様子を映してからモノクロの1969年のベルファストへと変わります。
母が夕飯ができたと呼ぶ声が届く近所で遊んでいるバディ、そこへいきなり武装した集団が現れ、窓ガラスを割ったり車に火をつけたりし始めます。
生活圏で突如起こる暴動は怖いですね。
治安のため警察ではなく軍がやってきて、バリケードを築き見張りや見回りも居るのに、内部に先導者も居る。
ただそんな状況下でも生活は続くし、日常を楽しむことも忘れない。

突然脅かされる日常や社会の分断もテーマなのでしょうが、その暴力のもとでの、家族の在り方や想いが描かれていて、諍う両親や静かに見守ってくれる祖父母、いつしかバディと一緒に彼の目線になって観ていました。
生まれ育った街を離れたくない反面、見出せない未来に街を離れる決心をする家族。

最後に画面がカラーに戻り、「For the ones who stayed(とどまった人たちへ)」「For the ones who left(出て行った人たちへ)」「And for all the ones who were lost(そして亡くなられたすべての人たちへ)」というメッセージが。
家族への想いの共感からか、不思議と郷愁を感じさせられます。
ちょい切ないけど、なんだかすっきりする気も。
音楽も良い。
あと、"Everlasting Love"を歌うシーンのジェイミー・ドーナンがめっちゃ良かった。( ̄∀ ̄*)イヒッ

 

Advertisement

映画の旅カテゴリの最新記事