息子と自分を取り戻す 「エリック」(ネタバレ感想)

息子と自分を取り戻す 「エリック」(ネタバレ感想)

ベネディクト・カンバーバッチが行方不明になった息子を捜すNetflixのリミテッドシリーズドラマ「エリック」。
全6話ですが、一気に見てしまう止められないミステリー・サスペンス。

 

ERIC 2024年英/米Netflix 全6話

 

Advertisement

 

ストーリー

1985年ニューヨーク。子供番組「Good Day Sunshine」の共同プロデューサーで人形クリエイターのヴィンセント・アンダーソン。9歳の息子エドガーを独りで登校させた日、エドガーは行方不明に。行方不明者捜索担当のマイケル・ルドロイト刑事は、過去に犯罪の現場となった「ラックス」というクラブを疑うが、証拠は見つからないまま数日が過ぎ、精神的に追い詰められたヴィンセントは、エドガーが想像した人形のエリックを作り番組に出せば、エドガーは戻ってくると思い込む。いつしかエリックはヴィンセントの横で話しかけてくるようになり…。

キャスト

ヴィンセントにベネディクト・カンバーバッチ、妻のキャシーにギャビー・ホフマン、エドガーにアイヴァン・モリス・ハウ、ルドロイト刑事にマッキンリー・ベルチャー三世、共同プロデューサーのレニーに『ファンタスティック・ビースト』のダン・フォグラー、ロニーにロベルタ・コリンドレス、管理人のジョージにクラーク・ピータース、ヴィンセントの父で不動産王のロバートにジョン・ドーマン、母アンにフィービー・ニコルズ、コステロ副市長にジェフ・ヘフナー、クラブのオーナー、ゲイターにウェイド・アラン・マルクス、セバスチャンにホセ・ピメンタンなど。
脚本はアビ・モーガン、監督はルーシー・フォーブス

ネタバレ感想

最近、Netflix作品に出演が続いているベネディクト・カンバーバッチ
ベネ曰く「Netflixはフック・アルゴリズムの達人であり、6部作でも10部作でも視聴者を飽きさせない方法を知っている」らしい。

このドラマは2人をメインに話が展開。
1人はベネ演じるヴィンセント。
セサミ・ストリート」のジム・ヘンソンの様な人形使いで、
人形を動かして喋るだけでなく、人形のデザインや制作に番組の構成も考えるプロデューサー。
才能も人気もありながら、頑固で独善的、エゴ剥き出しなヴィンセントは職場では煙たがられ、
スポンサーには嫌われ、不動産王である父親とは断絶状態、妻とは喧嘩が絶えない。
そんな中で息子エドガーが居なくなり、元々アルコールやドラッグで問題を抱えていたヴィンセントは、
さらに酒浸りになり、エドガーがデザインしたエリックという人形(?)の幻覚を見るように。
必死に息子を探すヴィンセントは酷いやつだけれど痛々しい。

もう1人は、行方不明者捜査担当のルドロイト刑事。
ゲイであることを周囲に隠してる黒人の彼には、エイズで余命短い白人の恋人がいて、
エドガーの捜索と共に同僚の不審な行動を追ううちに、NYの闇に行き着きます。

エドガー失踪の謎を追うサスペンスの中で、
80年代NYのホームレス、人種差別、同性愛(エイズ)などの社会問題も描かれます。
自己中で人には容赦ないヴィンセント、だけど根はナイーブで息子を愛している。
こういうエキセントリックな役を演じさせると圧倒的なベネディクト・カンバーバッチ
最後にはエリックの着ぐるみを着てエドガーに謝罪、無事息子を取り戻せたヴィンセント。
更生施設を経て職場復帰し、父親と折り合いをつけ、別れた妻やエドガーとも良い関係でめでたし。
そして汚職や署内の腐敗を暴いたルドロイト刑事のドラマも心に残ります。
ぜひ!

 

Advertisement

ドラマの旅(海外&日本)カテゴリの最新記事