渡る世間に鬼はなし 『ニューヨーク 親切なロシア料理店』(ネタバレ感想)

渡る世間に鬼はなし 『ニューヨーク 親切なロシア料理店』(ネタバレ感想)

ビル・ナイおじさんとケイレブ目当てで『ニューヨーク 親切なロシア料理店』をシネマルナティックで観ました。
案外ドキドキさせられましたが、終わりよければすべてよし。

THE KINDNESS OF STRANGERS
2019年デンマーク、加、スウェーデン、仏、独、英、米 115分

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ストーリー

クララは夫が息子を殴っているのを目撃し、息子2人を連れ家出する。ニューヨークにやってきたがお金も頼る所もないクララは、偶然知り合った看護師のアリスや、ロシア料理店のマークらに助けられる。しかし警官である夫に居場所を見つけられ…。

キャスト

クララにゾーイ・カザンエリア・カザンの孫娘なんですね。
アリスにアンドレア・ライズボロー、映画の度にガラッと印象が変わるので、なかなか顔を覚えられなかったのですが、この映画で覚えられた気がします。
マークに『預言者』のタハール・ラヒム、ロシア料理店オーナーにビル・ナイ、ジェフにケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、弁護士のジョンにジェイ・バルシェルなど。
監督は『人生はシネマティック!』のロネ・シェルフィグ。

ネタバレ感想

ニューヨークの様な大都会で、こんなに親切にされるわけがない様にも思えますけど、この映画の登場人物はみんな社会的に見ると弱い立場、それだから人に優しくなれるのかもしれません。

まずクララは、さほど社会経験のないうちに結婚したので世間知らず。財布も夫に握られているので、ほぼ無一文で息子2人を連れ途方に暮れています。
幸運にも住込の仕事が見つかった、刑務所から出所したばかりのマーク。
発達障害なのか、仕事が続かず家賃を滞納しアパートも追い出されたジェフ。
アリスは昼間は看護師として働きながら、夜はホームレスのために炊き出しをしたり、”赦しの会”というグループセラピーを主催したりと多忙な日々。
ティモフェイはロシア料理店のオーナーだけれど、店は衰退していく一方。

ロシア料理店”ウインター・パレス”で出逢った人々が、互いに助け合う。
”ウインター・パレス”に就職したマークは、手腕を発揮して店の経営を立て直し、マークを受け入れたオーナーのティモフェイは店を閉めずに済む。
住む所がなくなり凍死しかけていたジェフを助けたアリスは、ジェフの存在で孤独が和らぐ。
そしてクララはみんなに助けられ、途方に暮れて人にすがるだけだったのが、裁判で夫を訴えることができるまでになりました。
ぶっちゃけ最初は、クララのあまりの計画性のなさに唖然としましたけど、あのまま我慢して夫の元にいたら最悪な事態を招いたかもしれないので、すぐに行動して良かったのだと思います。

珍しいくらいすべて丸く収まったラスト。
世の中捨てたもんじゃないと思わせてくれる映画でした。

 

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