求めたものとは違っていた理想郷 『ゴールデン・リバー』(ネタバレ感想)

求めたものとは違っていた理想郷 『ゴールデン・リバー』(ネタバレ感想)

劇場公開時見逃したけれど、評判が良いので気になっていた『ゴールデン・リバー』やっと見ました。もっとサスペンスフルな展開かと思っていたら、友情や兄弟愛を描いたドラマでしたね。 

THE SISTERS BROTHERS 2018年仏/西/ルーマニア/ベルギー/米 120分 PG 12
 

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ストーリー

 
1851年のアメリカ、オレゴン州にイーライとチャーリーのシスターズ兄弟という名の通った殺し屋が居た。“提督”と呼ばれている雇い主の元で働く2人に命じられた新たな仕事は、連絡係のモリスが探しているウォームという男を始末せよというもの。2人はモリスの跡を追い、ゴールドラッシュに沸くサンフランシスコへ向かうが、道中モリスから連絡が途絶える。兄イーライはそろそろ殺し屋家業から足を洗わないかとチャーリーに持ちかけるが・・・・・。 

キャスト

 
兄イーライにジョン・C・ライリー、弟チャーリーにホアキン・フェニックス、モリスにジェイク・ギレンホール、ウォームにリズ・アーメッド、提督にルトガー・ハウアー
監督は『ディーパンの闘い』のジャック・オーディアール 

ネタバレ感想

 
ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞。
最初、西部劇なのにフランスやスペイン製作っていうのに不思議な気がしましたが、監督がフランスのジャック・オーディアールだったんですね。
派手なドンパチがメインではなく(もちろん銃撃シーンもあるけれど)後々じんわり染みてくる人間ドラマでした。
 

パトリック・デウィットの原作「シスターズ・ブラザーズ」は読んでいないので比べられませんが、映画は兄イーライがメインで話は進みます。
弟を心配し、守ってやろうとする兄。兄弟の過去は匂わす程度ですが、酷い父親だったのは想像できます。その血をひいているからか、名の知られた殺し屋兄弟になっています。兄は足を洗いたいけれど、弟が密かに提督の後釜に座るという野心を持っています。
 
兄弟のターゲットが化学者ウォーム。金を見つける化学式を作ったらしい。錬金ではないみたい。西部劇に化学者って意外だし胡散臭い。
と思って見ていましたが、ウォームは至ってまっとうで、感化されてモリスも自分の人生を見つめ直します。
彼らに追いついたシスターズ兄弟も、結局合流して作業を手伝い始めたくらい。
殺し屋とターゲットが次第に打ち解け馴染んでいく平和なひとときは長くは続きませんでした。
 
チャーリーによって事故が起き、ウォームとモリスが命を落としチャーリーも片腕になってしまいます。2人ともチャーリーを責めず、自分の死の直前にもイーライを思いやるウォームはまるで聖人のようでした。3人の人生を変えた彼は一体何者だったのでしょう。
ボスになることも黄金を手に入れることも叶いませんでしたが、逆に幸せは手に入ったように見えたラストでした。 

直接内容とは関係ないのですが、西部劇で人が死ぬと必ず埋めてやるもんだという思い込むがあって、死体をそのまま放置していると気になってしょうがない自分。( ̄▼ ̄;アハッ・・・・

 

 

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