モノクロ映像で描く情炎 『COLD WAR あの歌、2つの心』(ネタバレ感想)

モノクロ映像で描く情炎 『COLD WAR あの歌、2つの心』(ネタバレ感想)

前記事のDVDを借りるときに一緒に借りた『COLD WAR あの歌、2つの心』を見ました。
万引き家族』がパルムドールを受賞した2018年のカンヌ国際映画祭にて監督賞受賞作。
昨年のアカデミー賞でも外国語映画賞・監督賞・撮影賞でノミネート。

Zimna wojna 2018年ポーランド/英/仏 88分

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ストーリー

第二次世界大戦終戦後の1949年、共産主義政権の冷戦下のポーランド。州が後援する音楽舞踊団を率いるヴィクトルとイレーナは民族音楽を披露するためにオーディションを開催する。オーディションに応募してきた中の1人、歌手志望のズーラにヴィクトルは興味を抱き、やがて激しい恋に落ちる。しかし当局の監視を受けるようになったヴィクトルは西側への亡命を決意、ズーラと共に行くつもりが彼女は約束の場所に来なかった。数年後、パリで偶然再会した2人はその後も国をまたぎながら再会と離別を繰り返すのだったが…。

キャスト

ズーラにヨアンナ・クーリク、ヴィクトルにトマシュ・コット
出会いからラストまでの数十年単位の年月を演じています。
イレーナにアガタ・クレシャ、カチマレクにボリス・シィツなど。
監督は『イーダ』のパヴェウ・パヴリコフスキ。俳優かと思うほどグッドルッキング♪

ネタバレ感想

88分とは思えない濃厚さ。
えっ、そんなに短かった?って思いました。
監督の両親の人生がモチーフになっているそうで、17歳の母親が10歳年上の父親に出会ってから、40年に渡ってヨーロッパを転々としながらついたり離れたりしたらしい。
さぞヘビーな人生だったことでしょう。(;-_-)

男女の恋愛の機微に疎いので、ヴィクトルに会うために他の男と結婚するズーラや、亡命しているのにズーラを追いかけて、逮捕をされるのが分かっていてもポーランドへ帰るヴィクトルに、それほど離れられないなら、なぜ別れる?と思ってしまいます。
それほどお互いを求め合う2人。
モノクロ画面にほとばしる情熱。
行き着く先もなんとなく分かります。

撮影賞にノミネートされたとおり、映像が美しいです。
素朴な田舎町の教会、パリのジャズクラブ、モノクロなのに雄弁。
流れる民族音楽やジャズやロックも、その時代を映し出します。

アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』と同年に作られ、どちらも監督の私的な作品というのも時代の流れでしょうか。

 

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