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どうして 『ヒンド・ラジャブの声』(ネタバレ感想)

映画の旅

11月24日に閉館が決まったシネマルナティックで『ヒンド・ラジャブの声』を観ました。
ミニシアターが無くなると、こういう映画も観られなくなっちゃいそう。

THE VOICE OF HIND RAJAB 2025年チュニジア/フランス 89分

ストーリー

2024年1月29日。人道支援組織「赤新月社」のスタッフは緊急電話を受けた。 パレスチナ・ガザ地区で6歳の少女が助けを求めている。 スタッフたちは少女との通話を繋ぎ止めながら、救出するためにあらゆる手を尽くす… …。
少女の名前はヒンド・ラジャブ。

キャスト

ラナにサジャ・キラニ、オマールにモタズ・マルヒース、マフディにアメル・フレヘル、ニスリーンにクララ・フーリなど。
監督は「皮膚を売った男」「Four Daughters フォー・ドーターズ」のカウテール・ベン・ハニア。

ネタバレ感想

↑のポスターに書かれているとおり、プロデューサーにブラッド・ピット、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラ、アルフォンソ・キュアロン、ジョナサン・グレイザー(『関心領域』監督)、マイケル・ムーア、スパイク・リーらそうそうたるメンバーが、この映画を世に出すために名を連ねています。

これまでもジェノサイドを扱った映画は、ナチス・ドイツによるホロコースト以外にも、1995年に起こったスレブレニツァの虐殺を描いた『アイダよ、何処へ?』(2020年)だったり、1994年のルワンダ虐殺を描いた『ホテル・ルワンダ』(2004年)など見てきましたが、酷いとは感じるもののどこかよそ事と思っていた気がします。
本作で初めて、自分が生きている今の地続きの話として捉えられたと思います。

本作では、ガザ地区で車内に取り残された6歳の少女ヒンド・ラジャブと、彼女を救出するために奔走した人道支援組織「赤新月社」との実際の電話音声が使用されています。「赤新月社」のスタッフは役者が演じていますが、終盤で実在のスタッフをスマホで映している映像が役者に重なっている場面もあり、スタッフの悲痛な表情にいたたまれなくなりました。

戦車に赤外線センサーが付いていて、生きた人を感知できるとは知りませんでしたが、生き残った子供を殺すために1台の車に355発も銃弾を撃ち込む。戦車から降りて相手を見ることもないまま。
狂っているとしか考えられない。
出動すれば8分で到着できるのに、何時間も掛けて安全なルートを確認して承認を受けて出動した救急車も爆撃され、なんのためのルールなのか。

この映画で描かれた事はまだ終わっていなくて(戦争自体終わっていませんが)、イスラエル軍の戦争犯罪に対する不処罰を是正する目的のためヒンド・ラジャブ財団が立ち上がりました。財団は加害者まで特定し、国際刑事裁判所(ICC)に告発もしていますが、財団の設立者の一人は脅迫を受けているそうです。コチラの記事に詳しく書かれています。https://note.com/akiohoshi/n/n00259af426b4?app_launch=false

どうしてと問うことに意味がないと知りつつ、それでも問うてしまうどうしてと。

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