演劇を通して自分を知る 『シンシン SING SING』(ネタバレ感想)

演劇を通して自分を知る 『シンシン SING SING』(ネタバレ感想)

実話の映画化で本人たちが出演という『シンシン SING SING』を観ました

 

SING SING 2023年米 107分

 

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ストーリー

ニューヨーク、シンシン刑務所。無実の罪で収監されたディヴァインGだったが、刑務所内の更生プログラムである“舞台演劇”グループに所属し、仲間たちと演劇について真剣に取り組むことで少しずつ生きる意味を見出していく。そんなある日、刑務所内でも目立っているディヴァイン・アイが演劇グループに参加することに。ディヴァインGは予想外の行動をするディヴァイン・アイに戸惑い、たびたび衝突しながらも、新たな演目に取り組んでいくのだったが…。

キャスト

ディヴァインGに『カラーパープル』のコールマン・ドミンゴ、囚人仲間のマイク・マイクにショーン・サン・ホセ、演出家ブレントにポール・レイシー
ディヴァイン・アイのクラレンス・マクリンの他RTA卒業生である元収監者が本人役で多数出演。
監督は『ザ・ボーダーライン 合衆国国境警備隊』のグレッグ・クウェダー

ネタバレ感想

実話の映画化。NYに在る最重警備の収監施設<シンシン刑務所>で行われている、舞台演劇を通して収監者の更生を目指すプログラム 「RTA」。囚人たちは舞台演劇に取り組むことで生きがいを得たり、自身について見つめ直したりという体験をしている様子が描かれています。主要キャストの85%以上が実際にシンシン刑務所の元収監者であり、演劇プログラムの卒業生及び関係者たちだそうですが、プロの俳優と区別がつかないほど。
彼らは自分を演じているので素のままで良いとはいえ、たいしたもんです。

ディヴァインGを含め囚人それぞれがどんな罪を犯したのかはほぼ語られず、ディヴァインGが無実の罪で捉えられたというのもあまり語られません。
ほぼ演劇を作り上げる過程で、題材を決め、オーディションし、演出し劇を作り上げていく、その中で衝突もしながらも次第に仲間を思いやり、助け合うようになっていきます。
特に優等生のディヴァインGが問題の多いディヴァイン・アイ(名前が紛らわしいけれど実話だから仕方ないのか?)の更生に手を貸していましたが、ある事によって立場が逆転します。
ひとり上段に居るような特別感のあったディヴァインGの、感情のタガが外れてしまうのがとても人間らしくて、その事によって一層連帯感が深まったように感じました。

演出家のブレントが演技指導の一環か、いろいろ想像させたりするのですが、案外むずかしいですよね。
自分が一番幸せだった時って、いつだ?

 

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